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鹿児島県の山

眼下に広がる大海原がいい・開聞岳 [ 924m ]

8合目〜山頂(30分)

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左手には、例の道標が立てられ「ここは8合目 あと800m」と案内されている。
1kmを切って、距離はメートル単位に縮まっても、岩道は平地歩きとは異なる。
まずは、一息ついて荒れる息を整え、焦らず山頂へのドラマを期待したほうがいい。
一息ついて少し登り、岩の段差を登ってさらに 岩道 を行く。
開聞岳はなかなか手ごわい。
根っ子と格闘を繰り返し、岩の連続に時間を奪われる。
疲労も高まり、踏み出す一歩も重くなる。
どうして、こんなに苦労してまで登るのか、そんな疑問が出ても仕方がない。
しかし、山頂を目指す全ての登山者に平等に与えられた試練は認めるしかない。
難しい話ではない。
連続する岩道に、それ以上考える余裕もなくさらに岩場を行く。
歩幅は小さくても、一歩一歩の積み重ねに比例し山頂は確実に近づく。
平成3年7月、地元家具産業と作曲家古賀政男のPRを目的に、「古賀メロデー世界へ轟け富士登山」と名打って、市民有志68名の人達を富士山頂へ引率したことがある。
ご来光を仰ぎ、古賀メロデーをみんなで合唱した。
もちろん、カラオケも持ち上げた。
山に不慣れな人も大勢いた。
しかし、不慣れな人も一歩一歩を積み重ね、山頂への想いを共有した。
山頂に立って、みんなで得た喜びと感動は、今でも鮮明によみがえる。
そして今では、一歩一歩の苦闘より思い出の方が何十倍も心地いい。
歩きづらい岩道に歩を重ね、さらに岩の段差を登り左手へ向きを変えていく。
すぐ正面に倒木を見て、土の段差を右手から登って行くと、岩は減り歩きやすい火山性の 小石の道 に変わる。
この時期、甘い香りを放つ白い野バラが沿道を飾る。
歩きやすい道にも根っ子は多い。
さらに岩も徐々に多くなり、岩と根っ子の段差を登り右手へカーブして行く。
すぐ、左手へカーブして岩道を行くと 木段 になる。
3段ほど登ってさらに岩の段差を登って行く。
左手西側樹間には青い海が映える。
歩きやすい野バラ咲く道を行くと、正面に浮いたような岩に触れ、右手へよけ登って行く。

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岩道は容赦なく続く。
岩道は展望もなく、足元に目を奪われひたすら歩く辛抱との戦いでもある。
そして、左手に倒木の株に目をむけ登って行く。
少し登るとまた木段になる。
木段を右手に登り7段ほど数える。
そして岩場を登ると傾斜はゆるみ歩きやすくなる。
しかし、 歩きやすい道 は長くは続かない。
岩道を右手へカーブすると傾斜を増し、一旦下る場所に 木段のように幹を伸ばす木 を越えていく。
の木は、生を得た場所に運がなかったのか、木段代わりに踏まれ削られている。
この木も、生ある間耐えねばならない運命にある。
数メートル、土の感触に元気をもらってさらに岩道を右手へカーブしていく。
少し行くとまた木段になる。
右手へ9段ほど登り、6〜7m平らな道を行くとまた岩道になる。
道を遮断するような岩場を越え、さらに岩の段差を登るとまた歩きやすい土道になる。
この 平坦な土道 は、例えわずかな距離でも足の疲れを吸い取ってくれる。
気持ちを新たに、再び岩道に向かっていく。
すぐ、倒木の右手から土の段差を、コケむした岩をよけ登って行く。

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岩道は、余り雑念は及ばない。
ただ一歩一歩足場を見て踏み出すばかりで、思考まで奪われる。
しかし、例外もある。
高度を上げるごとに立てられた道標に安堵し、見るたびに元気をくれた道標は、歩数を重ねるたびに次の道標への期待が頭を支配してくる。
時計を見ると、既に15分以上経過している。
しかし、その気配はなく岩道は続く。
右手へ向きを変え、木段を3段ほど登り左手へ岩を乗り越えていく。
そして岩壁に生える木をくぐって行く。
すぐ岩道を登り、10mも行くと登りきったところに 待ちに待った道標 を見る。
道標には、期待通り9合目と書かれ、計算どおり「あと0・4km」と教えてくれる。
あと400m、そう遠い距離ではない。
ここで一息つき、さらに岩道へ踏み込んでいく。
10mほど進み、右手へ岩の段差を登りゆるやかな傾斜を行く。
すく傾斜を増し、重なり合う岩場を登って行く。
左手には「救助第二ポイント」と書かれた木柱が目に付く。
さらに 岩道 を登って行く。
左手には、白い木柱が立てられ「救助第一ポイント」と書かれている。
山頂は、右手へカーブし岩道を行く。
その前に、数メートル直進すると北側の展望が視界いっぱいに広がる。
頴娃町(えいまち)辺りの海岸線が弧を描き、さらに遠くに延びる。
打ち寄せる白い波しぶきもはっきり見て取れる。
すぐ右手には、標高359mの矢筈岳が眼下に低く収まる。
その奥には、池田湖も静かな湖面を見せる。
ここで一息つき、山腹から吹き上げてくる気持ちいい風を体いっぱいに浴び、山頂目指してさらに岩道を行く。

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道には岩があふれんばかりに重なり合う。
ここを道とは言いがたい。
しかし山頂へ辿る道は他になく、岩道としか言いようがない。
岩道を2分足らず行くと、 木段が見えてくる
木段には太いロープが付けられ、20数段登って左手へ向きを変えていく。
すぐ土道になり、足元から目を離すと左手に展望が得られる。
正面に、オブジェのような 何かに似ていそうな岩 が目に入る。
その岩の右手岩道を行く。
その岩場にナイフを入れたように表面が平らな岩が目に付く。
その岩に立って振り返ると、開聞岳の斜面が急降下し、震えるよう高度感に足はすくんでしまう。
しかし、垣根のような潅木に危険を感じるようなことはない。
目を上げると、満々と蓄えた池田湖の湖面が周囲と調和しながら一際目立つ。
さらに岩道を行く。
平坦な土道を進み、岩道を下ると自然石あふれる中に、豆腐でも形どったような 四角い岩 も見る。
そして岩の段差を登ると、下りの木段が付けられている。
その木段を6〜7段ほど下っていく。

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木段を降り、岩道を行くとすぐ下りだし右手へカーブしさらに岩道を登って行く。
道沿いにはツゲの木が目立ってくる。
岩道を登り少し下り、平らな土道に降りると正面に 木段 が見え出す。
木段を登ると、また岩道になる。
岩道は文字通り岩ばかりで、とうてい道とは言いがたい。
しかし、山頂を目指す多くの登山者は、例外なく唯一拓かれた岩道を同じ想いで目指している。
開聞岳へ挑む登山者に課す試練はみな平等である。
岩道は傾斜も大きく、試練はまだまだ続く。
岩場に注視し足場を確かめながら、時を忘れ一歩一歩踏み上げていく。
そして心棒の甲斐あってか、 正面に道標 が立てられ「山頂:52m 登山口:2・9km」と案内されている。
直進する道もうかがわれるが、踏み跡は薄い。
ここで一息つき、右手へ向きを変えさらに岩道を登って行く。
最後の岩道は、さらに傾斜を増す。
白い野バラの甘い香りに救われ、一つ一つの岩にすがりつくように登って行く。

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少し登ると、岩道は傾斜をゆるめ林へ踏み込むと正面に大きな岩が目に付く。
道は、この岩の手前で二手に分岐する。
山頂へはどちらを取ってもいい。
左手を取れば「山頂 下山口」と書かれた道標が立てられ、少し行くと、道は幾筋かに別れる。
さらに岩場を行くとシンボリックな大きな岩が目前に迫る。
ここが、幾多の試練を経てやっと辿り着いた開聞岳山頂である。
山頂岩には反対側へ回れば容易に立つことができる。 
展望は南の方へ、地球の果てまでさえぎるものはない。
山頂岩の横には、木柱が立てられ「開聞岳:924m」と書かれている。
山頂標は、他にも数箇所立てられている。
山頂岩の南側には、二等三角点の石柱も立てられている。
さらに、開聞町の名で展望案内の石板も置かれ、種子島や屋久島まで描かれている。
その隣には「昭和633年7月20日 皇太子殿下登山御立所」と刻まれた石板も置かれている。
登山口付近の休憩所には登山証明書の発行について説明板が立てられている。

登山者の皆様へ
本日は、用こそ日本、本土最南端の地、北緯31度10分にそびえる秀麗、開聞岳へお越しくださいました。 開聞岳は下部はコニーデ型、上部はトロイデ型の二重火山で海岸から隆起し、標高922メートル(所要時間、頂上まで約2時間を要します。)頂上は360度のパノラマで、南の島々を、北は霧島連峰が望めます。 山腹から頂上まで亜熱帯の植物が生い茂り自然豊かで、神秘な山です。旅の思い出に登山証明書(カラー写真入り)を役場企画観光課又は国民宿舎かいもん荘で発行いたします。
<開聞町、開聞町観光協会   国民宿舎 かいもん荘>

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