夜景に酔う・福智山 [ 966.6m ] − 鷹取山 [ 633m ]
山頂 → 上野越(所要時間:約25分)
山頂は、広く岩が多い。 大きな案内板が立てられている。
山頂からは、360度の展望が得られ、北は金剛山・雲取山、さらには九州自然歩道の基点となる皿倉山や権現山、そして尺岳から、足元に延びてくる稜線を見渡すことができる。
南には、牛斬山・香春山、遠く古処山や英彦山が。
西の方には、これから目指す鷹取山や遠くに鉾立山・砥石山・三郡山。
さらには、背振山の遠景を仰ぐことができるという。
山頂一帯は、春には青々とした草原が心をくすぐり、秋には白銀に染まるススキが、そよ風に波打つ光景に心踊る。
福智山は、英彦山6峰の一つに数えられ、役の行者は、英彦山から宝満山の峰伝いに空を飛んで唐の国へ渡ったという。
帰る時は、福智山から入って峰伝いに英彦山に帰ったという。
以来、修験山伏の春の峰入りは宝満山、秋は福智山から峰入りするようになったという。
山頂で昼食を取り、展望に満足すると重たい腰をあげる。
鷹取山への道は、
祠まで戻り
、祠を背に西の方へ下っていく。
途中、岩の手前から右手へカーブし、ススキの中を下っていく。
4、5分も下れば鞍部に着く。
鞍部は、ちょっとした広場となっており、左手には九州自然歩道の地図が刻まれた大きな案内板が、また正面にも標柱が立てられている。
正面の標柱は、向きがおかしくなっている。
振り返り、200メートル先の、岩稜の福智山に別れを告げる。
鷹取山へは、ここを右手へゆるやかに下っていく。
広いゆるやかな下り道を2分ほど軽快に下ると、三叉路に出会う。
ここにも、右手に
標柱
が立てられ「頓野林道を経て内ヶ磯=5.1km・上野峡=3.5km・鷹取山=1.6km・福智山=0.3km」と案内されている。
左手には、九州自然歩道の案内板も立ててある。
鷹取山へは、ここを直進して行く。
すぐ先には、
黄色のパネル
が道の真中に立ててあり、その横を通っていく。
振り返ると、その黄色いパネルの裏側は、「歩行者の安全のため車は通行できません」と、車両進入禁止にされている。
快適な道を1分も下ると丸太の階段になる。 階段は、なくてもいいような、ゆるやかな傾斜に20段ほど付けられている。
道は蛇行を繰り返しながらも、北斜面に付けられた道を
西の方へ向かって降りていく
。
歩きやすい下り道は、体が軽く感じる。
疲れた足も歩く度に別の力が溜まり、足は気持ち引きずるように前へ出る。
右手斜面からは、体をいたわるような涼しい風が吹き上げてくる。
この斜面は、そのほとんどが落葉樹で冬と夏場の景色は全く異なる。
落葉樹は、水分が少ない土地に多いという。
このため、水分の蒸発を防ぐため葉を落とし、春を迎えるという。
このため、夏場に見えない景色が楽しめる。
階段から3分も下ると、さらに階段が20段ほど続く。
ここは登山者が多く、踏み跡もしっかりしており、道をはずすようなことはない。
さらに2、3分も下ると道は直線的に伸びている。
この直線の道を下り終わる頃、正面が開け
鷹取山の山頂付近の全容
が、樹冠に居場所を示すように現われる。
山頂の、2段になった広場も確認できる。
道は、ここまで下ると常緑樹が多くなり、同時に鷹取山の姿は消えてしまう。
薄暗い自然林の中を3、4分下ると、また木段が現われ、ここを右手に降り下って行く。
さらに、3、4分下っていくと道は広くなり、同じテンポでリズムを取るように快適に下っていく。
距離は思った以上に稼ぎ、気持ちも明るくなる。
快適な自然林の中で一息つき、自然に目を向けるのもいい。
種類も樹形もひとつ一つ異なる木々が、狭い空間の中にひしめき競い合い、狭い天井に日を求めて伸び、植物たちのたくましさに見入りながら、自然の清らかな感触に触れるのもいい。
快適な道を3、4分も下れば、上野越に着く。