西の大海原と風車がいい・野間岳 [ 591.1m ]
第2展望所〜山頂(5分) [ この区間の地図 ]
展望所は、右手南側に開け、右手正面に女岳が横たわり、正面遠くに開聞岳が薄く影絵のような姿を見せている。
目を引くと椎木地区の集落が深く沈んで見える。
展望所には、
擬木のベンチ
も用意され、休みついでに腰を降ろしたくなる。
展望所を背に、さらに岩場の階段を登って行く。
ここにも鎖が張られ、階段と鎖ばかりはうっとうしくなる。
さらに、コケむした岩場を行く。
傾斜も大きく、途中足を止めさらに岩場を行く。
岩場を過ぎると、階段だけが自然林の中に容赦なく伸びる。
しかし、また岩場になる。
岩場のほうが変化に富み、自然の感触が伝わってくる。
そして岩場の狭い隙間を抜けると、また木段になる。
すぐ右手へカーブすると、また階段が蛇行しながら駆け登っている。
傾斜は大きく、目は足元から離れない。しかし、なんとなく山頂は近いと感じてくる。
目を上げると、階段はさらに続く。
率直言って、階段は極力少ないがいい。
そして数えるように登って行くと正面が開けてくる。
長い登路ではないが、
山頂広場
に着きホッとする。
広場には石碑が目に飛び込んでくる。
石碑には「昭和15年11月10日鹿児島県知事指定 神代聒蹟竹島」と刻まれている。
中央部には国土地理院の白い木柱が立てられ「一等三角点」と書かれている。
広場奥の右手には「片浦」と書かれた文字板が立てられ、道は右手へ下っている。
そして、山頂は左手へ草道を行く。
草道を10mも行くと、正面に突き立つ岩が目に入ってくる。
踏み跡は、その手前から右手に折れ、加工されたような石材を踏んで数メートル行くと、正面に石柵の中に祠のようなものが置かれ、その中に木簡と呼んでいいのか、墨書きした木片が多数入れられている。
さらに10mも直進すると岩場になる。
この岩場をよじ登ると、西側に広大な海原がまぶしく見える。
岩には赤いミカゲ石が埋め込まれ「第二十七回国民体育大会 炬火採火の地 昭和四十七年十月十一日 笠沙町」と刻まれている。
さらに、足元の岩陰には山頂標が置かれ「野間岳標高:591m」と書かれている。
正面に視界一杯広がる大海原から目を引くと、野間半島の先端が地図で見るようにはっきりとその形を見ることができる。
先端部には、10基ほどの白い風車が時の流れを止めるように、ゆっくりと羽を回している。
その手前には青々とした野間湖が静かに湖面を見せている。
左手南側に目を移すと、開聞岳が幾重にも重なる山々の稜線上に、ふんわりと浮かび優美な姿を見せ、時を忘れ見入ってしまう。
目を引くと、深い樹林に覆われた女岳が、その背後には美しいリアス式海岸と紺碧の海に浮かぶ沖秋目島を眼下に見ることができる。
さて、展望を楽しんだら野間神社へ往路を引き返す。
帰路は、磯間嶽を登るか、さらに国道沿いにある笠沙黒瀬の海に面して建てられた笠沙美術館や鑑真記念館でも立ち寄ればいい。