女性の歴史を包む秘境・五葉岳 [ 1570m ] ・お化粧山・お姫山・乙女山
お化粧山〜ブナの三差路(35分)
左手の幹には文字板が掛けられ「御姫山を経て五葉岳至る」と書かれている。
さらに、お化粧山の由来も書かれているが文字は読み取れない。
その先には、山頂標が立てられ「御化粧山」と朱書きされている。
その奥の北東の位置には、目指す
五葉岳が樹間に姿を現す
。
お化粧山の頂は、平らな尾根の突端にあり山頂標がなければ素通りしてしまうかもしれない。
道の右手には、お姫山を案内する河鹿荘の案内板も立てられている。
その背後には、日隠山が稜線に浮かぶように姿を見せている。
お化粧山の由来が読めないのはいかにも残念であるが、お化粧山は大吹鉱山に働く多くの就労者を慰安する女達が、遠く祝川辺りから幾山も越え、大吹鉱山を見下ろすこの場所で身支度を整え、化粧直しをしたのだという。
今も、ここで暮らした遊女たちの墓が山腹に残されている。
さて一息ついたら、直進する。
道はすぐ下りだし
、10メートルほどで下るきり左手に大木を見る。
しかし、この大木も立ち枯れている。
道はすぐゆるやかに登りだし、次第に傾斜を増してくる。
この辺りも枯れ木が多い。
急坂を右手にカーブすると、右手西側に展望が開ける。
さらに、右手に大木を見て左手へカーブしていく。
左手へ尾根道をカーブすると傾斜はゆるんでくる。
左手には、傾山が静かに横たわっている。
林の中には、相変わらずアセビが多く、両脇には次第にスズタケ密生してくる。
狭い道には落ち葉も多く、落ち葉はクッションの役を果たし足に優しい。
右手に岩を見て少し行くと、左手には
コケむした大きな岩
が目印になる。
落ち葉の道をゆるやかに登って行くと登りきり、ゆるやかに下っていく。
尾根道の
両脇に生えるスズタケ
は、祖母傾山系に見るような人の背丈より高いスズタケではなく、
遠くに展望を仰ぐことができる。
快適な尾根道を行くと、正面に小さな峰が見え出す。
道は、その峰をよけるように左手へ向かいゆるやかに登りだす。
そして傾斜を増し右手へ登っていく。
左手に遠く目を放つと、
傾山
が左手に稜線を延ばしている。
登りきると、左手へカーブしほぼ平坦な尾根道を東の方へ行く。
平らな道を20メートルも行くと、ゆるやかに登りだす。
道には木の根が多い。
辺りは、大木がばかることなく大きく枝を広げている。
ゆるやかな登りを少し行くと、正面にも
大きく枝を広げたブナの大木
が近づいてくる。
左手に枯れた立ち木を見ると、すぐその大木の前に立つ。
さらに、黄色いテープを見てゆるやかに登っていく。
この辺りもアセビが多い。
アセビは、赤いつぼみをたくさんつけ、春に咲かせる準備を始めている。
正面には、アセビの幹が根元から二つに裂け、幹を左右に広げている。
左手には、株を起こし倒れたアセビが痛々しい。
根が張り出すアセビの道を登ると天井が開け、大木は広い空を分け合うように枝を広げている。
その大木は、山桜のように見える。
アセビの道を抜け左右に
門柱のように立つ木
を過ぎると、道は傾斜を緩めてくれる。
気持ちのいい尾根道には、なぜか枯れ木が多い。
この辺りは、1400メートルを越える標高にある。
この高い尾根道を流れる風が、疲れを流してくれる
正面、林の向こうにまた峰が見え出してくる。
平らな道は、その峰に向かって伸びる。
枯れた立ち木に触れ、小さく蛇行しながら快適な道を行く。
気持ちも快適さに酔ってしまう。
快適な道は左手へカーブしゆるやかに 登っていく。
すぐ、右手へカーブすると傾斜を増してくる。
道沿いには下草が目立ってくる。
道は、細かく蛇行しさらに傾斜を増してくる。
急坂ではないが足にはこたえる。
傾斜に焦ることなく、辺りに悠然と枝を伸ばす大木に気をもらいながら、ゆっくりと、時を楽しむように登ればいい。
草道に転がる輪切りにされた木を見て3、4分も登ると分岐に着く。
右手に案内板が掛けられ直進して「お姫山 鹿納山」を案内している。
左手の道は大吹登山口へ通じる。
ここで一息つき、さらに草道を登っていく。
枯れた倒木を見るとすぐ、正面に大きく枝を広げた大木が目を引く。
ここがブナの三差路と言われるところで、分岐から1分も要しない。
大ブナの右手を直進すれば鹿納山へ行く。
左手には道標が立てられ鹿納山を案内している。