神の山を仰いで・霧島連山縦走
中岳〜高千穂河原(2・3km:60分)
360度の展望に恵まれた
山頂
からは、高千穂峰が目前に大きく迫る。
目を右手へ引くと、古宮跡や駐車場が見ることができる。
振り返ると、新燃岳の背後に韓国岳の鈍頂がわずかに見える。
山頂に立てられた道標には「韓国岳:8・7km 高千穂河原:2・3km」と案内され、登山口駐車場から韓国岳山頂まで3kmとすれば、約14kmのコースになる。
右手には熊本方面の展望図が書かれ、市房山や石堂山も描かれているが、天候のせいかはっきりしない。
その隣には山頂標が立てられ「中岳:1345M」と標高が書かれている。
さて、時計を見ながら腰を上げ、山頂を横切るように直進し、
木枠で造られた階段
を下っていく。
80数段も数えると、階段は消え岩の多い急坂を下って行く。
左手眼下には、ほぼ平坦な丘陵に高千穂河原へ導く一条の線がはっきり見て取れる。
岩場を下って行くと
正面に道標
が立てられ、行く手を「高千穂河原」後方を「中岳」と案内している。
前方西側には樹海に浮かぶように烏帽子岳が横たわっている。
道標手前から左手へ折れ用心して下っていく。
正面には御鉢を手前にした高千穂峰が迫り来る。
さらに岩の段差を降りると、狭いが歩きやすくなる。
しかし、すぐ岩道になる。
さらに岩の段差を降り、少し行くとまた道標が立てられ同文が書かれている。
そして、右手へ岩場を下りさらに岩の段差を降りると、
また道標
を見る。
道標を見て一息つき、左手へジグザグを切って下っていく。
中岳の下りは容易でない。
少し下ると、道は狭くなり正面に道標を見て右手へ下って行く。
目を上げると、絵に見るような
高千穂の峰
が樹海から大きく聳え立つ。
道標を見てさらに右手へ下って行く。
眼下には、丘陵を貫く階段が徐々にはっきりしてくる。
さらに、傾斜の大きい岩場を慎重に下って行く。
岩場はなかなか距離は伸びない。
山頂から20分も過ぎること、岩の急斜面を降り切り木段を下って行く。
50段を数えるころ、木枠の階段になり傾斜は収まる。
右手には「この付近で見られる植物」と題し、クサボケ・ツルキジムシロ・シロモジ等植物の説明板が立てられている。
すぐ木枠の階段は見えなくなる。
木枠の階段は、なくなったのか小石に埋まったのか、10数メートルも行くとまた木枠に階段になる。
そして木枠の階段を20数メートルも行くと
石畳
になる。
石畳を少し行くと、右手へカーブし石畳は小石に埋まり消えてしまう。
すぐ、石畳が現れゆるやかに登って行く。
右手にツゲの木を見て、右手へ振り向くと何度となく悩ませた中岳の岩場の急斜面が全く様相を変え、潅木に包まれた中岳が穏やかな山容を見る。
さらに石畳は続く。
右手へカーブすると傾斜を増して登りだし、すぐ下りだす。
左手に目を向けると、高千穂峰は次第に御鉢の背後に隠れようとしている。
石畳をゆるやかに下って行くと、木橋になる。
橋を渡ると、左手に説明板が立てられている。
霧島山の噴火
新しいところでは、大正2年11月から翌年の1月にかけ高千穂も御鉢火山の活動が記録されています。また昭和34年2月17日新燃岳が突然爆発しました。138年ぶりのことです。
自然公園財団
さらにゆるやかな傾斜を登って行くと、右手に案内図と書かれた説明板が立てられている。
案内図には、遠回りのモミジコースとツツジコースが書き込まれている。
説明板の先にはテーブルが用意されている。
一息ついて左折し、九州自然歩道を取り石畳をゆるやかに登って行く。
少し登ると傾斜を増してくる。
10mも登るとゆるやかに下って行く。
少し行くと、左手に霧島屋久国立公園と題した
説明板
を見る。
霧島屋久国立公園
霧島は昭和9年雲仙、瀬戸内海とともに、わが国で最初の国立公園に指定されました。さらに昭和39年3月16日桜島、指宿、佐多、屋久島が加わり、霧島屋久国立公園となり、面積は約56231hあります。
ゆるやかな傾斜の石畳を登って行く。
少し行くと左手にテーブルを見て、左手へカーブして行く。
すぐ左手にテーブルを見る。
正面には高千穂峰、何度見ても飽き足らない。
左手には中岳の生い立ちについて説明板も立てられている。
中岳のおいたち
中岳は霧島火山活動期の最後に誕生したもので、高千穂の峯、御鉢、新燃岳といっしょにできあがったいわば兄弟火山です。山の型の上からは、コニーデ型火山に属しています。
さらに20mも石畳を登って行くと、また
左手にテーブ
ルが置かれている。
道は、すぐ右手へカーブし下って行く。
この辺りは、テーブルや説明板が多い。
ここで視界に広がる光景を楽しみながら、腰を降ろし一息つきたい。
正面に高千穂峰を見て、石畳は少し傾斜を増して下って行く。
数メートルも行くと「キリシマと名のつく植物」と題した説明板が立てられている。
キリシマと名のつく植物
霧島山の地名からその名を取った植物は少なくありません。ミヤマキリシマ、キリシマエビネ、キリシマミズキ、キリシマグミ、キリシマアカマツ等があります。
さらに20m足らず下ると右手に道標が立てられ「高千穂河原:0・9km 中岳:1・3km 新燃岳:3・2km」と教えてくれる。
一直線に伸びる石畳を高千穂峰に向かって下って行くと、右手に「霧島山で紅葉する樹木」と題した説明板が、また道標も立てられ「高千穂河原:0・8km 中岳:1・4km 新燃岳:3・4km」と案内され、新燃岳だけが100m余計に長い。
キリシマ山で紅葉する樹木
霧島山は、日本最南の紅葉の山である。北国の紅葉の美しさや鮮やかなには及ばないが、モミ・ツガ等の高木常緑樹と黄葉植物としてのコントラストは何とも言えない美しさです。重な紅葉植物には、ナナカマド・山ハゼ・コミネカエデ・ミヤマカマズミ等があり、黄葉化植物には、コナラリヨウブ・ブナ・ミズナラ等があります。
砂礫の歩きやすい、わずかな傾斜登って行く。
足は、軽く早足になっている。気分もいい。
足の疲れが引いていくのを感じながら、快適な道を行く。
快適な道は少しづつ登りだし、石畳が消えると木枠の階段になる。
右手には、また
道標
が立てられ「高千穂河原:0・7km 中岳:1・6km」と案内されている。
木枠の階段は、加工材で造られた木段になる。
木段は、25〜6段も登ると、すぐ下りだす。
正面右手には、高千穂峰は御鉢の西斜面に隠れとうとう見えなくなる。
60数段も数えると木段は消え、木枠の階段を行くとまた九州自然歩道の道標が立てられ「高千穂河原:0・5km 中岳:1・7km 新燃岳:3・7km」と書かれている。
中岳は100mしか縮まっていない。
道は、右手に分岐し「ミヤマキリシマ研究路」と案内されている。
すぐ先には「ミヤマキリシマ」と題した説明板が立てられている。
さらに、コース案内図も書かれている。
ミヤマキリシマ
ミヤマキリシマは、霧島山の代表的な植物の一つで、ツツジ科の植物です。高さは50cmぐらいのものが多く、横に広がる性質があるます。高木林や・おい茂っている低木林の中で生育がくずかしいようです。花の大きさは約3cmぐらいで、色は紫紅色も多く、なかには桃色・淡紅色もみられます。
道は、また石畳になりツゲの木をくぐり林の中へ踏み込んでいく。
ほぼ平坦な石畳を少し行くと、右手へカーブさらに左手へカーブしゆるやかに下って行く。
道沿いには、幹に掛けられ「ミヤマキリシマ」や「コバノクロズル」の樹木板を見る。
分岐から3分も行くと左手にテーブルが置かれている。
少し下ると、右手に道標が立てられ「高千穂河原:0・3km 中岳:1・9km 新燃岳:3・8km」と案内されている。
ここも右手に分岐し研究路が伸びている。
そして、10mも下り左手へ鋭角にカーブし、スギ林の中を下って行く。
20mも下ると、右手へカーブし「アオハタ」「リョウブ」「タンナサワフタギ」の樹木板を見る。
少し下ると、スギ林は自然林になる。
この辺りまで来ると、随所に鹿を目にすることができる。
鹿は、人に慣れカメラに収まってくれる。
そして右手にテーブルを見て左手へカーブし下って行くと、霧島縦走コースは石橋を渡って終了する。
左手にはビジターセンターが設置され霧島山の自然が学習できる。
また、センターには今では珍しくなった公衆電話が用意され、登山口へ戻るタクシー会社の電話番号が案内されている。
今回支払ったタクシーは、韓国登山口まで3200円、数年前は4000円ほど支払った記憶がある。
右手には、温泉や土産店もあり必要な要件は済ますことができる。
霧島山の林相
およそ、800Mくらいまではタブ・カシ類などの常緑広葉樹、1300M付近まではモミ・ツガ・アカマツの針葉樹とミズナラなど落葉広葉樹がみられますが、これを超えるところでは、ミヤマキリシマ・ヤシャブシなどの低木群落やススキ・ショウジョウスゲなどの草原に変わります。