紅葉とミヤマキリシマに映える山・普賢岳 [普賢岳:1359.3m]
国見岳 → 普賢岳(約40分)
正面には、
シンボリックな岩
がすぐ目に付く。
山頂は広くはない。
展望は、北側に有明海、南側に妙見岳が望まれる。
東側には、樹海に包まれた普賢岳が、平成新山の威容に影をひそめるように小さく見える。
山頂標には、「国見岳:1347M」と書かれている。
ここで体を休め、視界に広がる展望を心いくまで楽しめばいい。
しかし、ここで昼食をとる登山者も多いが、花時は狭くゆっくり出来ない。
さらに普賢岳への急登が待っており、充分水分を補給し国見分岐まで往路を戻る。
下りは、用心しながら足元を一歩一歩確認するように下っていく。
花時、登山者が多いときは、登り優先で待つ余裕を持ちたい。
急げば危険極まりない。
正面右手に、妙見岳から伸びる尾根筋に生えるミヤマキリシマの群生に、どうしても目をとられ足が止まってしまう。
しかし、足場だけは確認する。
鞍部を通り、国見分岐まで10分とかからない
分岐に着くと左折していく。
平坦な道
を14、5mも行くと道は下りだし、正面に平成新山と、普賢岳が一歩一歩迫ってくる。
すぐ木段を下っていく。
木段の傾斜は厳しく、踏み外せば大変なことになる。
気を引き締め一段一段、左右に蛇行しながら下っていく。
木段は下れど下れど終わらない。
足元を見ると、深い谷底を左手に見ながら急傾斜の木段を下っていく。
100段を過ぎるころ、妙見・国見・普賢岳の三山の斜面が交差する深い鞍部が見えてくる。
吸い込まれそうな深い鞍部には、平坦な道が確認できる。
さらに木段は続く。
木段は、左右に蛇行を繰り返し、容赦なく下っている。
ここを登りにとるコースは大変である。
しかし、このコースを登りに取る登山者は多い。
用心しながら10分も下ると、傾斜はゆるみ歩きやすくなる。
さらに1、2分も下れば鞍部に着く。
ここは普賢岳・国見岳・妙見岳に囲まれたくぼみのような場所で、鬼人谷と呼ばれ、自然の広い空間がとても気持よい。
ほぼ平らな道
を軽快に1分も行くと右手にカーブしてくる。
道は自然林の中をゆるやかに登って行く。
左手には道標
が立てられ、行く手を「普賢岳」と案内している。
すぐ、
自然石が敷かれた石段
を少し登ると平らになり、すぐ下り始める。
石段を右手へカーブし下ると傾斜はゆるみ、倒れかかった幹をくぐりゆるやかに下っていく。
すぐ┫字形の三差路に出会い左手に分岐している。
直進すれば、あざみ谷を経由しロープウエイ乗り場へ行く。この道は帰路にとる。
山頂は左折し急坂を登って行く。
ここにも
道標
が立てられ、直進を「仁田峠」左手を「普賢岳」と案内している。
さらに、「紅葉茶屋」と書かれた木柱も立てられている。
紅葉茶屋と言っても、別に茶屋があるわけではないが、昔日夏場に茶屋が出されていたという。
ここには、わずかな空地があり一息つくといい。
さて、山頂への道は、ここを
左折して急登を登っていく。
普賢岳への最後の登りは、岩だらけで、岩の上に足場を探すように登っていく。
さらに傾斜も大きく、一歩一歩が容易でない。
両脇には
ササが密生し、狭い岩道
を登っていく。
紅葉茶屋分岐から3分余り登ると、目前が明るくなり右手斜面が開けてくる。
ここから、樹林帯に包まれた
妙見岳東斜面に突き出た岩塊
が、視界を埋める。
狭い岩道は、
一時傾斜をゆるめる
がすぐ急坂になる。
岩ばかりの急登はさらに続く。
分岐から6、7分も過ぎるころ、2mほどの岩場を登って行く。
ササに埋もれるような岩道はまだまだ続く。
小粒の石をまいたような歩きやすい道を数メートル行くと、また岩道になる。
道は相変わらず岩が多い。
後ろへ振り向くと、辛抱して高度を稼いだせいか、
妙見岳の稜線
が幾分沈んだように見える。
すぐ、倒れ掛かった幹をくぐると傾斜はゆるみ、さらに
岩も減り歩きやすくなる。
しかし、歩きやすい道は長くは続かず、すぐ岩道になる。
岩道は、足元に眼を取られ周囲に広がる自然の美しさを見る余裕はない。
単調な岩道は、山頂への焦りも出始めなお疲れる。
時折足を休め、深呼吸しながら自然が発散するフィトンチィドを精一杯吸えば気は落ち着く。
さらに足場を見て一歩一歩登っていく。
分岐から15分も登ったころ、正面樹間が開け
普賢岳山頂の岩を一瞬目にする。
休み休み振り返ると、妙見岳の稜線を仰ぐことができる。
普賢岳山頂を見て、岩道を1、2分も登ると左手にロープが張られている。
特段ロープを必要とする道ではないが、しかし足元から目は離せない。
すぐ岩場を登る。左手には青いザイルが張れてはいるが、踏み跡を辿ればロープは要しない。
すぐ人一人立てる空地があり、足を休めたらいい。
そして登山者が多ければ、後から登ってくる登山者に譲ればいい。
山頂には、人より遅く着いて規則に反することはない。要は気持ちの余裕だ。
人より早く着いて、喜ぶ気持ちは子供に譲りたい。
いい汗とは、無理しない汗であり、無理してかいた汗はいい汗とは言えない。
道沿いには、所々にミヤマキリシマが開花し、勇気を持って立ち止まり元気をもらったらいい。
岩の隙間を抜け、さらに岩道を行くと右手に1、2人は
普賢岳山頂の岩を一瞬目にする。
が目に付く。
山頂への道は、この岩道一本で多くの登山者も皆同じ道を辿っている。
穴倉を過ぎると、山頂辺りから登山者の声が聞こえてくる。
さらに岩道を登ると、山頂直下の広場に出る。
山頂は、すぐ右手へ登っていく。
正面には、このほど造られた
石祠
が祀られている。
その後方には平成新山が惜しみなく全容を見せてくれる。
直進して、石祠の右手を抜けると巨大な平成新山が目前に迫ってくる。
左手には、秩父宮殿下が今から80年ほど前に登られた証として
「秩父宮殿下御登山記念碑」
が立てられている。
さて、普賢岳山頂は目前にあり、石祠の方へは戻らず右手へ折れ
狭い道を登っていく。
この道は、岩はなく登りやすい。
記念碑から2、3分も登れば山頂に着く。