平戸のマッターホルン・志々伎山 [347.2m]
登山道入口〜展望所(10分)
正面に石段を見て左手には、同じような案内板が立てられ、山頂を教えてくれる。
車道は、右手へカーブし下り広い駐車場へ通じる。
石段入口には、わらで編まれた注連縄(しめなわ)が張られ、石段から奥は神聖な場所として外界と隔てられ、一般に立入禁止区域となる。
注連縄には紙垂(しだ)が1本だけ下がり、他は風化しなくなっている。
ついでに、注連縄は天照大神が天岩戸からお出になった際、二度と天岩戸に入れないように注連縄で戸をふさいだのが起源だと言われている。
さて、どうしたものか、と考えてもここを通らなければ登山にならない。
心を清め、心でわびながら注連縄をくぐり神聖な場所へと石段を登って行く。
石段を10段ほど登ると右手に石柱が立てられ、「右至上宮30分 左至中宮200m」と書かれている。
さらに石段を登って行く。
石段は30数段を数え、登りきると
平坦な歩きやすい道
が続く。
左手に古い二重に施された石垣を見て10数メートルも行くと左手へカーブする。
左手石垣は勝手口のように開けられている。
すぐ正面
右手に石灯篭
を見て、林の中へ踏み込んでいく。
道は狭いが、傾斜はなく踏み跡はしっかりと踏み固められ迷うことはない。
林の道を10数メートル行くと、ゆるやかに登りだし枯れた倒木をくぐっていく。
道は徐々に傾斜を増してくる。
狭い道には、木の根やコケむした露岩が多くなる。
さらに傾斜は増し左手へカーブし登って行く。
右手に渦巻くような根っ子を見ると右手へカーブし、階段状に掘り込んだ岩上を登って行く。
さらに岩の段差を登ると歩きやすくなる。
正面に大きなマキの木を見て左手へカーブしていく。
10m行くと、
根っ子の段差
になる。
その根っ子を左手に追うと、大きなマキが天高く枝を広げている。
平戸にマキが多いと漠然と聞いてはいたが、正に話どおりである。
ゆるやかに登って行くと傾斜はなくなり気持ちのいい平らな道になる。
左手樹間には、青い海が見え隠れする。
海から吹き上げてくる爽やかな風を胸元に誘い込めば、体全体に元気が走る。
根っ子の段差から20mも進んだころ、左手に
巨大なマキの木
を見る。
こんな大きなマキは、ここ以外見たことがない。
幾年ここに幹を立て、歩く人々を見送ったのか想像もできない。
ここに育つマキは「イヌマキ」という。
自宅庭に、妻の里からもらった1本のマキは、50年以上は経っていると聞くが、それでも幹の直径は20cmほどしかない。
巨大マキから10数メートルも行くと、階段状に掘り込まれた岩場になる。
左手に張られた
太めのロープ
を手に登るとすぐ先にもロープが張られ、ロープを手に登って行く。
登りづらい急坂を登るとまた岩壁に差しかかる。
ここにもロープが張られ、しっかりロープを手に登って行く。
岩は、湿気とコケで滑りやすい。
すぐ左手へカーブし足元のコケむした岩を避け右手へ登って行く。
さらに、右手へカーブし岩の段差を登って、斜面をトラバースしていく。
大きな傾斜を14〜5mも登ると、左手へカーブする。
ここでも長いロープに助けられる。
用心して登りきると、正面に形のいい岩に目がいく。
岩には、神がかった
神聖な岩
なのか注連縄が巻かれている。
注連縄が巻かれた辺りは注連縄に沿ってへこみ、遠く昔から神聖な岩として崇められ祀られていたようだ。
そして一息つき、左手へカーブしゆるやかに登って行くと正面に日が差し込んでくる。
すぐ露岩を登り右手へカーブすると、正面に
平戸のマッターホルン
と呼ばれる山頂の岩峰が迫力を持って迫り来る。
右手には山頂以外で唯一の展望が得られ、真っ青な大海原が視界に消えるまで広がっている。
その大海原に、白い軌跡を残し疾走する船が木の葉のように小さく見える。
ここでしばらく小休止し息を整えるといい。