四季を通じて素晴らしい・黒岩岳[1502.6m]−上泉水山[1296m]
登山口 → ピーク(約30分)
黒岩−上泉水山へは、牧ノ戸峠茶店の北側へコンクリートの石段を登って始まる。
石段を登ると、道幅1.5メートルほどのアスフアルトの道に数メートル毎の段差が設けられ、ゆるやかな勾配で北の方へ一直線に伸びる。
右手にも登山道らしき踏み跡があり、どちらを行っても良い。
右手には、黒岩山の手前の台地状の峰が登山者の目を引き寄せる。
散歩気分で、200メートルほど行けば正面に展望所がある。
この展望所には、登山者以外にも多くの観光客が腰をおろし、久住連山の雄大な景観に感嘆しながら、その一時を楽しんでいる。
しかし、登山者はただ見るのみならず自然に足を踏み入れ、その自然の感触を体全体に体感できる違いが、一種の優越感さえ感じてしまう。
道は、この展望所から右折して東の方へ台地状のピークに向かって伸びる。
道はすぐ二手に分かれるが、左手の広い道を取る。
少し行くと、この時期
ササやススキ
の葉に覆われ見えにくくなるが、 踏み跡はしっかりしており、歩けば足が迷わず連れて行ってくれる。
道は、正面ピークの左手方向へ向かって伸びる。
踏み跡は、すぐ広くなりほぼ一直線に伸び、 ゆるやかな傾斜を登って行くと、右手へ向きを変えピークの正面に向かって伸びる。
東屋から4〜5分も行くと、道筋に
枯れかかった標柱
が立てられているが、文字は全く読み取ることは出来ない。
ほぼ平坦な広い道をピークに向かって導かれるように歩き出す。
正面ピークの斜面には、黒岩山へ行く手を示すように踏み跡がしっかりと刻まれている。
右手には、久住連山が、左手には涌蓋山の美しく優しい遠望が得られる。
周囲は、特に秋はススキが辺り一帯を覆い尽くす。
さらに3〜4分も行くとアセビの木が多くなる。
アセビの木は、4月になれば風鈴の形をした小さな白い花を咲かせ、登山者の心を和ませてくれる。
平坦な道をときめく胸を抑え歩を進めて行くと、いよいよ急坂に取り付く。
道は、右手と左手に分かれどちらを行くか、足に任せればいい。
右手を取れば、久住山系の雄大な景色が楽しめる。
正面に
2本立の松の木
を歩きやすい踏み跡を探しながら左手へ脇道を登っていく。
急坂に、一歩一歩重い足を上げていく。
体中に汗がにじみ出るのを感じながら、辛抱して2分も登ると展望所から目にした地肌を露出した場所に登り着く。
山頂への道は登りづらく、ササに隠れるように、かろうじてその形跡を見せる幾筋かの脇道を選びながら登っていく。
後ろを振り返ると、展望所に続く道は蜘蛛の糸のように小さく眼下に見える。
まだ休むのは早い。
しかし既に足を休ませている。
道は、
V字状のミゾ
のように表土が流され露岩が多く滑りやすい。
脇道は狭く両脇からおしよせる笹の葉に沈みながらも、ミゾ道に、つかず離れず共に山頂に向け登っている。
急坂は、容赦なく続く。
登りはじめて、4〜5分も経つと、右手頂にとがった岩が見える。
右手を選ぶと、昔日子供がその岩を見て
「カラス岩」
と名付けたのを思い出す。
たしかに右手の道を取り、真下から見ると烏のようにも見える。
「カラス岩」の左手を登っていくと、そこは分岐になっており、直進すれば黒岩山を左手に見て、上泉水山への近道となり帰路に通ればいい。
右手へ数メートル行くと「カラス岩」の横から久住山系を見る格好の展望所に出る。
さらに左折すると、足元の台地状のピークを通り黒岩山へ行く。
しかし、足は既に左手の道を選びここから見る岩の格好は、カラスを連想させるような形には見えない。
古生代の怪獣と言ったほうが的を得ている。
道は、ササの中に幾筋にも付けられ、行く手は足に任せ山頂を目指す。
急坂の途中、幾度となく足を休ませ息を整えながら、10分余り高度を稼いでいくと傾斜はゆるんでくる。
この急坂は20分かけてもいい。
右手岩は
古生代の怪獣
がいなないているようにも見える。
少し登ると、道は二手に分岐、右手へ行けばその怪獣岩へ通じている。
山頂に登りきると、子供が喜びそうな草原の広場に出る。
急峻な急坂からは信じられないような、
穏やかな山頂
が広がる。
疲れも取れ、気持ちも心地よく一変する。
ここで一息つきながら、左手に足を向ける。
左手前方には、小高い所に
大きな岩
が山頂部を独り占めしたように座っている。
目前の広場を横切るように、わずかな傾斜を登りその岩の前に立つ。
道は、この岩の手前で左右に分かれ右手は黒岩山山頂へ通じている。
ここで少し時間を割き、道草すればいい。
岩の左手を直進し、狭いササ道を行く。