久住奥座敷に鎮座する・大船山 [1787m]
風穴分岐 → 駐車場(約75分)
標柱には左折すれば「風穴・黒岳」へ、そして右手は「岳麓寺」と書かれ、登山口は右折していく。
ここは、深い林の中にちょっとした広場になっており、わずかばかりの空間が、落ち着いた雰囲気が漂い、付近の岩に腰を下ろせば、疲れも取れる。
風穴までは、左折し10分ほど岩道を行けばいい。
ここから登山口まで、大きな起伏はなく快適な歩行が楽しめる。
体を休めたら、右手へほぼ平坦な、気持ちのいい道を行く。
快適な道から遠望は利かないが、黒岳の大きな斜面は、樹林帯の絵の下地になっている。
しかし樹林帯が開けると、その下地が飛び出し、絵の中心にもなる。
見上げると、
天狗の坊主頭が稜線上にちょっぴり浮かんで見える
。
道沿いには、コケむした岩が多く、岩肌に触れるとひんやりとした感触がいい。
赤いテープを見て、さらに平坦な道を蛇行して行く。
右手斜面にも岩が多い。
三叉路から3、4分も行くとまた三叉路に出会う。
そこにも
標柱
が立てられ、左手は「上峠」、直進は「岳麓寺」と案内されている。
登山口は、標柱に従い岳麓寺の方へ右手にカーブし、道は、蛇行しながらゆるやかに登っていく。
道沿いには、ドッカリと座った大きな岩が道を開けてくれる。
幹には、赤とブルーのテープが下げられ、
道には小粒の石が多い
が、歩くのに支障はない。
少し行くとゆるやかに下りだし、少し傾斜を増してくる。
道には依然として小石が多い。
道沿いには、幅広のテープが各所に結ばれて行く手を案内してくれる。
気持ちのいい斜面の道は、ゆるやかに蛇行し下り、登山口へと導いてくれる。
2、3分も行くと、右手へカーブしていく。
途中、倒木に遮断され、その右手をゆるやかに下って行く。
気持ちのいい道
を散歩気分でのんびりと歩く。
自然あふれる平坦な道は急ぐ必要はない。
ちょっと一服し、腰を降ろし自然の感触に触れればいい。
ここで帰りを急ぐのは、いかにももったいない。
しかし、時計が気になってはこの感触は得られない。
道には依然として小粒の石が多い。
左手の沢には、岩ばかりで水の流れは感じない。
右手斜面にも、コケむした岩が点在する。
小石の狭い道は、概ね南東の方へゆるやかに下っている。
三叉路から6、7分も過ぎたころ、左手に
大木が幹を伸ばしている
。
幹に耳を当てると自然の深い音が聞こえてくる。
ほぼ平坦な道を1、2分も進み、コケむした岩や倒木の隙間を抜けていく。
斜面に付けられた平坦な道を、リズムを取るように蛇行を繰り返していく。
リズムは、体と気持ちにぴったり一致し気分はいい。
左手には、黒岳の広大な斜面が視界にはみだすほど広がっている。
こけむした岩と倒木から、4、5分も行くと、左手に岩をわしづかみするような木を見て、ゆるやかに登っていく。
少し行くと、道は右手へカーブしていく。
わしづかみする岩を見て、左右に蛇行しながら2分ほど行くと、右手に若いスギ林を見る。
右手には
白い案内板
が立てられ、裏側を向けている。
振り返ると「前せり」と書かれている。
道は、岩の先にまっすぐ伸びているようにも見えるが、その先は何もない。
案内板のすぐ先から、右手へカーブし、二つの岩の間を通り、スギ林の中を下って行く。
スギ林の中は、日があたらず薄暗い。
スギ林の中を1、2分も下って行くと、ちょっとした空間がある。
そこには、
標柱が立てられ、右手「岳麓寺」と書かれている
。
牧場前駐車場とも手書きされている。
周辺には、大きなスギも居場所を守るように幹を伸ばしている。
ここから黒岳を背に右手へカーブして行く。
左手には、道ギリギリまで若いスギが植えられている。
この若い杉が、将来大きく育てばこの辺りも薄暗くなってしまう。
右手には、小径木の自然林が広がっている。
しかし、自然林の奥に目をやると、スギ林が広がっている。
標柱から1、2分も行くとゆるやかに登りだし、
すぐ平らな道
になる。
一時、スギ林は切れるがすぐスギ林に戻る。
スギ林には、ヒノキも時折見かける。
小石の多いスギ林を行くと小さなミゾのような沢を渡る。
少し行くと、正面は湿地のような草地になり、道は途切れてしまう。
道は、その手前から右手へカーブし、
小さな堤を輪切りにして、切り開いたような道を行く
。
すぐ左手に曲がって行くと、天井は開け、
平坦な気持ちのいい草付きの道
になる。
ここを1分も行くと、またスギ林になる。
このあたりのスギは、25年近くは経っているのか、薄ぐらい道を行く。
この辺りにも小石が多い。 左右には、赤いテープも結ばれ登山道を教えてくれる。
スギ林の中をゆるやかに下り、さらに小さなミゾを渡ると、すぐゆるやかな登りになる。
さらに、小石の多い道をゆるやかに下って行くと、正面道の真中に、幹の直径20センチメートルほどの、一本の桜の木を見る。
枝には、赤いテープが結ばれている。
ここで満開する桜の木に出会えたならば、身も心も癒される。 そう思っただけでも気分はいい。
その桜の幹に触れながら通り過ぎて行くと、また、スギ林の道になる。
スギ林の中を1、2分ゆるやかに下っていくと、また天井が開けスギ林から解放される。
目前は草原に一変し、同時に気も晴れる。
草原は右手に広がり、大船山から下ってくる稜線も遠くに見える。
後ろを振り返ると、左手に位置を変えた
天狗の丸い坊主頭
が映え、スギ林に浮かぶ黒岳の美しい姿が、なぜか別れを惜しむように寂しくも見える。
そして、黒岳と別れるように左手へカーブして行く。
平らな草付きの道はまだ続いていく。