と書かれている。
一息ついて、滑りやすい粘土質の道を登って行く。
標高も1000mを越えている筈ではあるが、この辺りも晩秋の気配は感じない。
滑りやすい道を少し登ると、ロープが張られている。
この辺りは滑りやすく、手を差し出す幹もなく登路も帰路も難儀するが、このロープは帰路にも大いに役にたつ。
滑りやすい道には、土嚢が置かれこれには助かるが、全く数が足りない。
右手には脇道が伸び、逃げるように脇道を取る。
さらに、滑りやすい道を左手に向きを変えると、剥きだしの根っこが這いだしてくる。
これを右手に回り、その木を見上げると天を覆うように枝を広げている。
道はすぐ、片足がやっと踏み出せるほど極端に狭いミゾ状になり、ズボンの裾を汚してしまう。
少し登ると右手へカーブ、その左手角に地面を這う幹が道際で幹を立て、そこで切られた枯れ木に手を預け、さらに左手へカーブして行く。
道は、すぐ広くはなるが、根っこが多くまた滑りやすい。
滑りやすいミゾ道を右手へカーブして行く。
さらに蛇行して行くと、ミゾは浅くなり、根っこが多くなる。
少し行くと傾斜はゆるみ、なんとなく自然の雰囲気が変わってくる。
左手には、腐れてしまった道標が目に入るが、文字など全く形跡はない。
そして、ミゾ道から脱すると歩きやすいササ道になる。
狭いササ道はゆるやかな傾斜で蛇行して伸び、これをなぞるように登って行くと、正面に白い立札が見えてくる。