県境の尾根道を行く・雷山 [ 955.3m ] − 井原山 [ 983m ]
雷山山頂 → ピーク(約25分)
山頂は広く、どこでも腰を降ろすことができる。
雷山山頂のシンボル的な岩の上に立つこともできる。
山頂
は、さえぎるものはなく360度の展望が得られ、西の方には、羽金山が、その右手には三角錘にとがった浮岳、すぐ右手には十坊山、さらに二丈岳を遠望することができる。
さらに東の方には、これから目指す
井原山へのなだらかな稜線
が、登山者を誘い込むように美しい姿を見せている。
ここで少し休息し、遠望を楽しんだら、三叉路まで引き返す。
前方左手に、井原山への稜線を見ながら、広い道を下って行く。
鞍部に着くと、急坂を登りこれを登りきれば、下りの快適な歩行が続き、山頂から7〜8分も行けば三叉路に着く。
三叉路からは、ゆるやかな登りとなる。
井原山山頂までは、約1時間の道のりである。
少し登ると道はゆるやかな下りとなり、左手にチョットした広場を見てさらに下って行く。
広場で休むのはまだ早い。
下りきって、10メートルほど平らな道を行くと、
ゆるやかに登っていく
。
周辺には、尾根筋によく見る大きな木は少なく、そのほとんどが小径木で道を空けている。
小径木の足元にはミヤコササが密生しどこまでも広がっている。
ほぼ平らな道は、稜線を縫うように伸びている。
三叉路から4〜5分も経ったころ、右手から
横島模様のある桜の木
が、道の方へわざわざ人目を引くように幹を伸ばしている。
桜の花時に出会えば、登山者の心を癒してくれる。
花時でなくても、桜の木を見れば、白っぽい花びらをいっぱい付けた姿を思い出し、心は晴れやかになる。
桜の木は、信じられないがバラ科に属するという。
桜は昔から鑑賞され、万葉集では40数種が唄われていると聞く。
桜は、人々の生活にも深く関わっており、よく食べる桜餅は、1717年江戸向島長命寺の若い住職が、 葉を若いうちに採取して、塩付けにし、餅を包んで売り出したのが始まりだという。
さらに驚くのは、桜の樹皮は現在文箱や茶筒の他、 箱物や丸いヒツギ等の留め物に使われているが、これが福島県では縄文時代の遺跡から、弓の弦を張るところに桜の樹皮が巻かれ補強されていたのが発見されたという。
その桜の木をくぐり、少し登ると道はゆるやかに下って行く。
左手にはたくさんの枝を広げた大きな木が目に付く。
この木から1分も行くと、道沿いには少し大きめの木が幹を並べている。
わずかな登りを少しばかり行くと、気持ちのいい平坦な道になる。
桜の木から3分ほど経ったころ、右手には、一度読んだ同文の「山は宝 自然は大切・・・」と書かれた
案内板
が目に付く。
尾根筋に付けられた平坦な道は、登山というよりハイキング気分で足取りは軽い。
少し行くと、またゆるやかに下り始め、すぐ登りとなる。
途中、急坂を数メートル登るとゆるやかに下り、すぐ平らな道となる。
案内板から4〜5分も行くと、右手に糸島地区保護協議会の名で「脊振・雷山県立公園特別地区地域自然公園」と書かれた丸い表示板が幹に付けられている。 ここをゆるやかに登っていく。
すぐ登りきり、また
ゆるやかに尾根道を下っていく
。
この辺りは、登り下りはあっても、その差は少なく、疲れるほどのものではない。
むしろ、自然の変化が歩行を一層楽ししいものにしてくれる。
丸い表示板から3分ほど気持ちよく歩くと、道は右手へ少し折れ、尾根の右手斜面をゆるやかに下って行く。
道沿いには「ツゲの木」が目立って多くなる。
ツゲは脊振山周辺にも多く見られる。
斜面の道を少し下ると、右手が開けてくる。
そこからは、急勾配の斜面を持つ峰が、登山者を待ち構えるように高さを誇っている。
その斜面には、蛇行しながら
ピークを登る道
が確認できる。
雷山を下って、初めての試練かと、ため息も出る眺めでもある。
ミヤコササが密生する、気持ちのいい斜面の道をゆるやかに下って行く。
しかし、右手急斜面の道にすぐ目が行ってしまう。
ササ道
を1分も下ると鞍部に着く。
いよいよ急坂の登りとなる。
鞍部から見ると、ササ道から見たほどの傾斜には見えない。
しかし、急坂に違いはない。
一歩一歩、歩を上げ登っていく。
道は、両脇のササが刈られ、2メートルほどの道幅があり、 その中心部に踏跡が付けられている。