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佐賀県の山

天空の尾根筋がいい・脊振山2 [ 1054.8m ]

駐車場〜脊振山頂〜脊振山気象レーダー観測所 [ この区間の地図 この区間の高低図 ]

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登山口は両県側から稜線に向かって数本付けられているが、山頂直下の駐車場を起点に尾根筋の歩行が楽でいい。
駐車場には、 九州自然歩道の説明板 が立てられ、脊振山頂・椎原峠・蛤岳への道が説明されている。
山頂は駐車場から400メートルほどあり、駐車場を出て右手に航空自衛隊脊振山分屯地を見て、直進して車道を横切り、左手へ石段を登っていく。
石段を30段ほど数えると、右手フェンスに 役の行者役の行者
今から1300年ほど前、吉野の金峯山から葛城山にかけて、1本足の高下駄を履いて修行を重ね、金峰山、大峰山などの霊場を開き、「修験道の開祖」としてあがめられたという。
名を小角(おづぬといい、呪術にすぐれ修行を邪魔する2匹の鬼を弟子にしたとされ、法力を学び修験道を確立したとされている。小角は空を飛ぶ術を会得し全国各地に現れ、68歳の時母親を鉢に乗せて唐の国へ飛んで行ったと伝えられている。
説明板 が掛けられ、フェンスから基地内を覗き込むと 「役の行者」 の座像が、そばには 案内板 を見ることができる。
江戸期、役の行者坐像がむいた方が豊作になるということから、筑前黒田・佐賀鍋島藩の農民はそれぞれこっそりと山頂に登り自国の方を向かせ、のちに境界争いに発展したという。

コンクリート道を登って行くと右手へカーブ、さらに左手へカーブし自然石の石段を登っていく。
大きな傾斜の石段を80段ほど登り、さらに加工石の石段を30数段登ると山頂上宮に着く。
山頂には立派な石殿があり、元旦には ご来光を拝む人 で賑わう。
ご来光を拝んだ直後には、地元脊振村役場青年部の人達が万歳の音頭を取った後、紅白の餅を配ってくれる。
展望は、自衛隊のドームがある西側以外は視界から消えるまで広がる遠望を楽しむことができる。東側眼下には大自然の頂から見る光景にしては、違和感を感じないでもないが自衛隊の施設が一望できる。
南東の方には九千部山が穏やかな稜線を見せてくれる。ご来光はこの稜線上に見られる。
その左手眼下には、脊振ダムが静かな水面を見せている。
そして南側は、幾重にも重なる山々の美しい稜線が絵にも勝る光景を見せてくれる。
山頂に立つ人は登山者ばかりではなく、多くの人が展望を楽しむために訪れる。
さらに西側ドームの左手には、美しい三角形をした金山も雄大な景色の一翼を成す。
脊振山の山名は、昔、朝鮮の百済の国から弁財天が竜馬に乗って飛来、脊振山の上で激しく背を振り、天に向かって鳴いたと言われたところから付いたという。
もう一つは、中国から茶種を持ち帰った栄西禅師が、背振山に茶種を振りまいたところ、脊振山のどこからでも茶の木が生えたと言うことから、「茶振り山」と呼ばれ、その後「茶振り山」がなまり脊振山になったとも伝えられる。
山頂に祀られる祭神は、市杵島姫命・航海の神と言われるが、仏教伝来後神仏習合の中で七福神の一人、弁才天もあわせ祀られたのだという。上宮は、神功皇后が三韓征伐のおり、脊振山に登り山頂に宮社を建て戦勝祈願の天神地祇を祀ったと言われる。
戦勝祈願は、九州落ちした足利尊氏が京攻めを前に祈願したとも聞く。
拝殿前にある石灯篭は、佐賀藩主鍋島綱茂により寄進されたものだと言われている。
脊振山は筑前黒田藩と肥前鍋島藩との間で、境界をめぐる争いが絶えず、結局両藩は幕府に裁定を仰ぎ、両藩から差し出された古文書や記録の中で、鍋島藩が差し出した絵図面に脊振山が記されていたことから、幕府の裁定は鍋島藩に決している。
敗れた福岡藩の家老3名は責めを負い切腹したと言う。石灯篭は裁定に喜んだ佐賀藩より寄進されたものと言う。

さて、山頂の展望を楽しんだら駐車場へ戻る。椎原峠への道は、駐車場西側に付けられ、眼下にはキャンプ場がある。 そこには、九州自然歩道の案内板が立てられ、椎原峠への道が説明されている。
また、椎原峠までは4km:1時間半とも書かれている。 さらに、道標も建てられ、「椎原峠=3.9km、背振山頂=0.4km」と書かれている。

道標の左手からキャンプ場に降りると、正面に東屋がある。
右手端の小高い所には 小さな池 がある。
この池には前節があり、 説明板 によれば竜の池と呼ばれその 由来竜の池(称:天の池)
冥典抄(玉林苑)によれば神の脊振山の頃に龍池あり、この池水底の石面に金の銘をあらわし、龍宮大域に通じて仏法所持の門とす、役の優婆是を見て西の嶺に乗若堤の法を行いし処を全胎両部の窟という。其跡今なお在する役行者という。「又的窟は乙天童の所属なり」 この池を混ぜると直ちに雨を降らしむると、霊験顕著なる池である。<脊振村観光協会>
も書かれている。

このキャンプ場では、御来光を見るためテントに泊り込み一夜を明かす人も多い。
さて、見学を終えたら東屋の方へ戻る。
すぐ右手に道標が立てられ、「九州自然歩道 脊振北山県立自然公園 椎原峠:3.9km 脊振山頂:0.4km」と案内されている。
道は、ここを下るとすぐ木橋を渡り左手へカーブする。数メートルも行くと右手屋根にコケをいっぱい装った古い東屋がある。
そこには蛇口がつけられ、まわせば水が出てくる。しかし、雨が少ないと出ないこともあり期待しない方がいい。このコースは、主に稜線を歩くためここ以外に水場はない。
東屋の数メートル先には立派な木橋が架け替えられ、さらに右手へ木橋を渡ればもうそこは幽谷深山の気配が漂い、ブナ・コナラ・カエデ等大木が大きく幹を伸ばしている。自然林の足元は一面ミヤコササに覆われ、大自然の雰囲気をさらに高めている。
新緑や紅葉の季節は素晴らしく登山者以外の人々も多い。緩やかな傾斜を少し登ると道は平になる。
すぐ右手へ木の根の多い道を登っていく。
周りは大木がひしめき、1000mを越える大自然が造りだす光景に畏敬を感じるが、残念ながらこのコースでこうした大木がひしめく場所はほかにない。
さらに右手へカーブしゆるやかに登っていくと、また木橋が現れる。これは長い。
これらの木橋は近年架け替えられているが、古かった橋も自然の色に染まり風情があった。しかし、一部に壊れた箇所もあり、安全確保のためにはこれも致し方ない。木橋は、左右に蛇行しながら100メートルほど続く。
渡りきると道は右手へカーブし、さらに左手へミゾ状の道をゆるやかに下っていくと、すぐ車道が見えてくる。
右手には、185番の標柱が立てられ「脊振山:0.5km  北山:18.0km」と書かれている。

駐車場〜脊振山頂〜脊振山気象レーダー観測所 [ この区間の地図 ]

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直進して車道を横切り、ゲートの脇を行く。
この車道は、気象レーダー観測所の専用道となっており、この交差点には、右手に標柱が建てられ「椎原峠:3.7km」と案内されている。専用道はその後アスフアルト舗装されている。
専用道路を1〜2分も行くと、左手に標柱が立てられ「脊振山展望台」と案内されている。
左手へ少し行くと、コンクリート製の立派な展望台が自然林の中にあり、ベンチも用意されているが、今はロープが張られ行く手が遮断され、行くことができない。
少し行くと、展望所へ迂回して来た出会いにも木柱が立てられ、椎原峠まで3・5kmと教えている。
さらに緩やかに下っていくと、左手南側に遠望が得られ実に気持ちいい。道沿いには「ツゲの木」が多い。ツゲは、永い年月風雪に耐え形づくられた幹や枝小太く逞しさが伝わってくる。
そして左手へカーブ、左手樹間に展望台を見てさらに右手西の方へカーブすると、前方には気象レーダー観測所の白いドームが見えてくる。右手角に、NO184番の木柱を見る。
少し下り左へ鋭角に、さらに右手へへアピンのような鋭いカーブを下っていく。
下りが続くと帰路の登りを気にするが、心配するほどでもない。
専用道を散歩気分で下って行くと鞍部に着く。
ここは矢筈峠で登山道が左右に分岐しており、右手に新しい道標が立てられ、直進して「椎原峠:80分」後方を「脊振山:40分」そして右手へ「車谷登山口:90分」と案内されている。
車谷登山口には椎原峠ルートもあり周回できる。
この道標は、福岡市の「さわら魅力づくり推進協議会」が、平成20年10月、西南学院大学ワンダーフォーゲル部OB・早良高等学校山岳部・伊都遊歩道クラブ・前原農業公園ファームパーク伊都国トンカチ館等、多くの団体の支援を受け、地元スギの間伐材を使用し、案内板2本、道標40本すべてを手づくりで制作し設置されたという。翌年、詳細なマップも制作されている。
すぐ先には九州自然歩道の道標が立てられ、左手へ下れば「田中:3・5km」行く手を「椎原峠:2・9km」後方を「背振山:1・1km」と書かれている。
鞍部からすこし登ると道は左へカーブし、さらに右へ左へ小さくカーブしていく。その右手には183番の木柱が立てられ「脊振山:1.5km 北山:17.0km」と書かれている。
さらに右へカーブし登っていく。
両脇には、自然林が密生しているが大木は見当たらない。
専用道を左右に蛇行しながら登って行くと、正面に白いドームが見えてくる。
少し行くと、左手には先が赤く塗られた白い小さな立て札が立てられ、ここは椎原峠への分岐になっており、左手へ九州自然歩道が伸びている。ここには標柱も立てられている。
椎原峠へ足を向ける前に、直進して観測所へ行くこととする。緩やかな傾斜を100mも登って行くと観測所に着く。
石段を登ると素晴らしい展望が四方に得られ、椎原峠へ辿る道筋が陵線上にうかがうことができる。
その稜線を辿ると、峰々の向こうに金山が大きな山容を見せてくれる。
北側へ振り返ると、福岡市街地の背後に博多湾、そして玄海の海原が果てしなく広がっている。
展望を楽しんだら、分岐へ引き返す。

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