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気になるトンギリ山へ、今一度振り返ると山は目線より随分沈み、その分背後の小川岳・向坂山が一望でき、霧立の峰々が遥か遠く居並ぶのが見て取れる。
山頂標には「黒峰 1283m」と書かれている。
展望は西から北側に開け、東側には祇園山・揺岳が、その背後に赤岸土山・大仁田山の稜線が遠望できる。
山頂標先の幹には
文字板
が結び付けられ、行く手を「中岳 一ノ瀬駐車場」と案内されている。
さて、山頂で休憩時間を取り、昼食でも終えたら往路はとらず直進して行く。
すぐ先には小さな文字板が付けられ、左手へ「山都町へ」と手書きされている。
少し進み右手へ向きを変えると、大きな傾斜で下りだし薄暗い植林地の中へ踏み込んでいく。
しかし、すぐ傾斜はゆるみ快適な道が植林地に伸び、ゆるやかな傾斜を下って行く。
道沿いには、随所にピンクのリボンが付けられ、はじめての登山者も迷うことはない。
記録するほどでもないわずかな傾斜を下って行くと、わずかな傾斜で登りだす。
すぐ傾斜はゆるみ、ほぼ平らになる。
足元は、今季の真新しい落ち葉で一面埋め尽くされ、一歩一歩から発する踏み音さえ真新しく感じる。
足に伝わる感触も実に心地いい。
行く手は、随所にくくられたピンクのリボンが導いてくれ、快適な道に登山中であることさえ忘れてしまう。
そして、ゆるやかに登ると、またゆるやかに下りだす。
これも記録するほどの傾斜ではない。
広い尾根には、落葉樹ばかりではあるがスギも点在し、奥の方にはスズタケが列を成し展望はない。
しかし、それ以上に落ち葉の道がいい。
快適な道をゆるやかに下って行くと少し傾斜を増し、左手へ向きを変えると傾斜はゆるんでくる。
12月初旬とは言え、暖かい陽光を背に受け台地状の広い丘陵歩きは、ここを歩く者こそが得る自然の恵みのようにも思える。
右手には、銀色に輝くススキの穂が風もないのに、わずかに穂先を揺らしている。
そして、ゆるやかに下りだす。と言うよりほぼ平らな道を行く。
少し行くと、両脇からスズタケが迫ってくる。
しかし、行く手は開けてくれる。
右手にコケむした露岩を見ると、スズタケは遠ざかり快適な広い空間を作ってくれる。
落ち葉に踏み跡は薄いが、ピンクのリボンが各所にくくられ、踏み跡を外すことはない。
遠くから高速道を走り、さらに60kmも車を走らせここを歩く今、やはり来てよかったと心底思う。
今は、他の誰よりも、幸せに満ちた自分だと信じ、そう伝えてやりたい。
快適な道はさらに続く。
後ろへ遠ざかって行く一歩一歩がもったいないようにも思えてくる。
ほぼ平らな道は、わずかに左へ向きを変え緩やかに下って行く。
左手幹には、裏面を見せる
文字板
が結ばれ「大平」と書かれている。
さらに快適な道を行くと、伐採期を迎えたような太いスギが目立ち、軽く触れながらわずかな傾斜を下って行く。
下りきった辺りの左手には、
小さな立札
が立てられ「大平 黒峰山頂」と書かれている。
一息ついて、快適な道はゆるやかに登りだす。
そして、左手に太いスギを見て左手へ向きを変えると下りだし、さらに、右手にピンクのリボンを付け湾曲した幹を見ると、右手へ下って行く。
この辺りから、広い丘陵は狭くなり尾根筋を行く。
ゆるやかな傾斜を30mも下って行くと、ゆるやかに登りだす。
少し行くと、露岩が多くなる。
右手南側には展望が開けてくる。
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展望に気持ちを寄せるように、自然林に浄化された空気を胸いっぱい取り込み、右手に目を向けると、こんもりと盛り上った所にスズタケと数本の常緑樹に囲まれるように、
赤い鉢巻をした石柱
を見る。
石柱には文字が刻まれているが、読めそうで読めない。
一息つき、スズタケに囲まれた落ち葉の道を行く。
尾根筋からは、両脇ともスズタケが密生し展望は得られないが、それ以上に快適な道がいい。
左手にピンクのリボンを見ると足元に石柱が立てられている。
側面には、「山」と刻まれている。
道筋には、自然木が行く手を阻むように幹を立てているが、心地いいせいか邪魔にはならない。
左手の小さな幹にピンクのリボンを見ると、またゆるやかに下りだす。
落ち葉を踏むリズミカルな音に、調子を合せるようにルンルンと下っていくと、傾斜はゆるんでくる。
右手樹間に展望を見ると、カヤトが繁茂してくる。
さらに右手に立札を見る。