ササ道はさらに続き、傾斜も小さく気持はのんびりとなる。
右手後方へ眼を向けると猟師山が随分沈んで見える。
眼下には、広大な瀬の本高原が視界いっぱいに広がる。
右手には、阿蘇涅槃像がうっすらとかすんで見える。
さらにササ道を登って行く。
そして左手へカーブしながら登って行くと、扇ヶ鼻の山頂部が見えてくる。
右手には、丸くこんもりと形造ったアセビが随所に見られる。
さらに振り返り、今一度猟師山に目を向けササの海原を行く。
少し行くと、ササ道は灌木の中へと伸びて行く。
灌木の中もササに覆い尽くされ、また、道も傾斜は小さく足に疲れは生じない。
途中、真黒い土が剥き出し滑りやすいところもあるが、そこには脇道が造られている。
緩やかに登って行くと、傾斜はさらに緩んでくる。
しかし、すぐ傾斜を増すが大した傾斜ではない。
灌木の中を200mも歩いたろうか、緩やかに下りだす。
10数メートルも下ると下り切り、平らな鞍部を10mも行くとまた緩やかに登りだす。
道は黒い土がむき出し、滑りやすいところも多く根っこに救われる。
そして右手へカーブして行く。
左手に扇ヶ鼻の北側突端、右手背後には猟師山が望まれる。
さらに左手へカーブすると傾斜はなくなる。
そしてアセビに近づくとゆるやかに下りだす。
少し行くと、また緩やかに登りだし左手へカーブして行く。
そしてササに覆われた踏み分けを緩やかに登って行く。
正面には扇ヶ鼻、右手には岩井川岳へ伸びる水平線を引いたような稜線が美しい。
少し登ると傾斜は緩み、快適な道はまた登りだす。
そして、左手へカーブしながら灌木林を抜けると、四方に展望が開ける。
辺りには、ミヤマキリシマがササの海原に浮いた小島のように見える
その背後には、扇ヶ鼻の西側斜面の全容が視界に大きく映える。
さらにササ道を行くと数本の灌木の先で、踏み分けは右手に分岐する。
直進は扇ヶ鼻、右手は岩井川岳に通じる。
灌木には「岩井川岳登山道」と書かれた文字板が掛けられている。