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展望に時を忘れる・鳴子山 [1643m] - 白口岳 [1720m]
展望〜稲星越(60分) [
この区間の地図
]
展望は右手南側に開け、左手鳴子山の燃えるような斜面に目を取られる。
眼下には、旧久住町の穏やかな田園風景が一望できる。
その背後には祖母山系がかすんで見える。
疲れを忘れさせるには十分な絶景に感謝し、左手から岩道を行く。
絶景に、今一度目を向け岩道を行と、正面にカブト虫のお尻のような、大きな岩が行手を迷わせてしまう。
登るには傾斜が大きすぎる。
しかし、右手に踏み跡が付けられ、岩をまたぎ左手へ巻いて行く
すぐ正面に、表面が平らで傾斜した岩に阻まれてしまう。
その岩には小径のロープが垂らされているが、岩の角で擦り切れ今にも切れそうである。
左手に目を向けると、赤いテープが目につきそのテープに誘われるように岩場を行く。
さらに、赤いテープを頼っていくと正面が開け、紅葉に包まれた稲星越の斜面が姿を見せてくれる。
しかし、行く手は斜面の崩壊によるものか、一面ガレ場になっている。
踏み跡は、ガレ場の右手に付けられトラロープが張られている。
ガレ場は、不安定な岩が多く用心していく。
振り返ると、根子岳を顔と見る阿蘇の涅槃像が、阿蘇野にぼんやりと浮かんで見える。
歩きづらいガレ場を用心して登っていく。
途中、足を休め左手に目を向け、紅葉真っ盛り斜面に向けカメラを向けてしまう。
ガレ場を100mも登ったろうか、正面にトラロープが張られ行手を止められる。
踏み跡は、そのロープの手前から左手に付けられ、幹に結ばれたテープを頼っていく。
岩にも黄色い矢印が付けられ、行手に不安は感じない。
しかしここも岩が多く、距離は伸びずなかなか手ごわい。
そして、ガレ場と並行して100mも登ったころ、正面に赤と黄色のテープに誘い込まれるように、右手ガレ場の方へ向きを変えていく。
さらに、幹に塗られた黄色い目印を見て、左手へ向きを変え岩道を登って行く。
岩道には、ほとんど踏み跡はない。
さらに左手へ、ガレ場と平行に向きを変え登って行く。
この岩道をさらに100mも過ぎたころ、左手へ向きを変え少しばかり薄い踏み跡を辿ると
草付きの道
になる。
この道は、鳴子山直下の断崖の下をトラバースするように伸びている。
道には岩も多いが、先ほどの岩道ほどではない。
緩やかな傾斜を登って行くと、岩は次第に減り歩幅は自然と広くなる。
少し行くと、快適な土道になる。
快適な土道を行くと、斜面の崩壊地を用心して横切っていく。
左手に見下ろすと、取り残された岩だけが目立つ。
目を上げると、崩壊によって樹木が流されたせいか、阿蘇涅槃像も遠望できる。
狭い道を少し行くと、また岩が目立ってくる。
しかし、大したものではない。
道は、わずかな傾斜で伸び、岩場の登りから解放された今、足の疲れは次第に引いてくる。
左手樹間には時折展望も得られ、秋の風情を感じながら心地よく歩を重ねていく。
少し行くと、また
崩壊地
に出る。
数メートル上の方には、黄色い矢印が後方を示しており、ここは一方通行なのか、さらに目を上げると、 崩壊地は、ゴロゴロとした個々の岩ではなく、一枚岩のような大きな岩が樹木や土をはぎ取られ、無残にも岩肌をさらけだしている。
その傾斜は写真で見るよりかない大きい。
一息つき、緩やかな傾斜を直進し傾いた幹をくぐり、赤いテープを見て登って行く。
さらに黄色いテープを見て、根っこが這う岩を乗り越え、岩の段差を下って行く。
土道を少し進み、岩を乗り越え、さらに、岩壁の狭い踏み跡を行く。
この辺りは傾斜は小さいが、行手を阻む岩が多い。
右手に目を上げると、鳴子山の南斜面を成す断崖が目を引き付ける。
さらに、岩に記された矢印を見て、紅葉真っ盛りの万華鏡の園を行く。
目を上げると、稲星越斜面全体が多彩な紅葉で覆い尽くされ、一瞬足は止まってしまう。代えがたい自然の巨大な贈り物に、感動の域を超えた自然の尊厳さに畏敬の念を感じざるを得ない。
辺りはミヤマキリシマも多く、燃えるような紅葉につい季節を間違えたのか、季節はずれの花を咲かせている。
高まる胸を押さえながら岩をよけ、一歩一歩、歩を重ねていく。
再び右手に目を上げると、鳴子山を守る要塞のような岩壁に圧倒されてしまう。
そして岩棚に登り、平らな表面につい腰を下ろし、ペットポトルを手にしてしまう。
遠く南の方には、祖母山系のおだやかな稜線が、雲にかすんで見える。
晩秋の陽気につい体を横にしたいが、時計は止まってくれない。汗ばむ体を起こし、さらに岩道を行く
そして、灌木の中へ踏み込んでいく。
ここも岩が多く、一歩一歩に手こずってしまう。
岩に書かれた、色あせた矢印を頼っていく。
踏み跡ははっきりせず、岩に書かれた黄色い「点」も大きな目印となる。
さらに大きな傾斜を登って行く。
この岩道は、稲星越への最後の試練のようにも感じてしまう。
黄色い目印を確認しながら、わずかに開いた灌木の隙間を行く。
ここで道を外せば、踏み跡はなくコースに戻るのは大変な苦労を強いられる。
さらに岩道を行くと、天井が開け明るくなる。
そして、岩場から逃れるように表面が平らな岩に登りつく。
その岩の隅にも、ミヤマキリシマが数輪の花を咲かせている。
一息つき、これまでの軌跡を目で追いながら、右手に向きを変え紅葉の花園を行く。
正面右手に目を上げると、潜水艦の司令塔のような岩が目に入る。
行手には相変わらず岩が多い。
その岩の上を、用心しながら足を運んで行く。
さらに矢印を見て岩道を行く。
この辺りは、天井が開け自然の移ろいに目を向けたいが、目は足元から離せない。
ただ道沿いに群生するミヤマキリシマに、気持ちは春先に飛び立とうとするが、目前の燃えるような朱色に引き戻される。
そして右手に目を上げると、潜水艦の司令塔は手が届きそうな所に見えてくる。
さらに岩道を行くと木段も見えてくる。
疲れた足に木段は歓迎しないが、これは致し方ない。
気合いを入れ、例の調子で段数を数え登って行く。
木段は37〜8段を数える。
足を休め振り返ると、久住町の田園風景がレンズを引いたように深く沈んで見える。
標高差は、展望台まで700mはあろうか、自らの足に感激してしまう。
左手へ眼を上げると、例の司令塔は気のせいか小さく見えてくる。
気を取り戻し、さらに右手へ木段を登って行く。
木段は底が抜けた状態にあり、脇道を行く。
この辺りは、イワカガミやリンドウが多い。
休む口実に、腰を下ろしシャッターを切ってしまう。
木段は24〜5段を数え、さらに岩道を行く。
岩道はすぐ通り過ぎ歩きやすくなる。
しかし、皮肉にもまた岩が多くなる。
岩道を行く前に、今一度振り返ると司令塔はさらに小さく、鳴子山の斜面に消えようとしている。
足を休め、さらに岩道を行く。
岩道はすぐ終わり、また正面に木段が見えてくる。
ここまで来れば、稲星越は遠くはない。
この斜面を登ったところにある。
そう、呟きながら木段を登って行く。
木段は10段ほどで登り切る。
するとまた岩道になる。
幸い傾斜は小さい。
この辺りは、葉を落としたウツギか、一面に群生している。
ミヤマキリシマも見かける。
岩道は、次第に傾斜を増してくる。
一息つき、さらに岩道を登って行くと、正面に白い立札が見えてくる。
そこが、稲星越に他ならない。

































































































山の記録2