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佐賀県の山

修験の山・多良岳 [ 996m ]

分岐 → 山頂(約25分)

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広場は四辻になっており、右手は、笹岳や金泉寺を経由して経ヶ岳へ通じている。
多良岳山頂へは左折し石段を登っていく。
石段の右手にも道標が立てられ、右手へ下って行くと「六体地蔵・一ノ宮風配」と案内されている。

石段を登る前に、ここで一服すれればよい。
正面には、石造りの立派な鳥居が見える。
25〜26段ほど石段を登り、鳥居をくぐるとすぐ左手に「多良岳大権現大鳥居」と書かれた標柱が立てられている。
その隣には、役の行者坐像が安置されている。
役の行者とは「役小角(えんのおずぬ)」のこと。
役小角は、生没は不明で大和葛木郡茅原村の出身だという。
役小角は岩窟に篭もり40年間孔雀王呪経の呪法を習得した呪術者で、毎夜五色の雲に乗って空を飛び鬼を自由に操ったといわれている。 さらに全国の山々を巡り、修験道を広め霊山を開いたと伝えられている。
役小角の座像は他に脊振山駐車場から山頂へ行く右手自衛隊基地内に柵越しに見ることができる。
すぐ先の左手には、 梵字岩 が目に付く。
梵字岩は、残念ながら上部が欠落している。

多良岳役の行者座像
【建立時代】
正徳二年(1712)江戸時代中期の名石仏師、砥川谷の平川与四右衛門の作
【由来】
役の行者は、奈良時代の初期、山岳に籠って仏教の修行をした呪術者で修験道の開祖として崇められている、 この石像が多良神社上宮の鳥居の傍らに安置されているということは、往時多良岳が修験道の霊地として広く知れわたっていたことを物語っている。 肥前石造文化の最盛期をしのぶにたる貴重な石造工芸品として注目される遺品である。
【指定月日】
昭和51年(1976)2月10日
<太良町教育委員会>

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さて、行く手を見ると 美しいほどよく積れた自然石の石段 が伸びている。
少し登ると、右手に大きなスギが幹を伸ばし、そばにはケルンが造られている。
すぐ先には、 諫早消防署名で「火の用心」と書かれたパネル が幹に付けてある。
石段は、視野いっぱいに伸びており、なかなか休ませてはくれない。
石段は傾斜は大きく、無理すれば明日に疲れを溜め込んでしまう。
足を休ませるのは自から決めるもので、きついと思えば休めばいい。

役の行者と一本歯の下駄の由来
石鳥居の側に白髪を生やし、下駄をはいた石像(役の行者)の前に新古の下駄(一本歯)が数多く供えられている。 そのいえあれは平安期の末期頃の行者が山岳仏教を布教して全国を歩き巡り、道を開き、堤をつくり、橋をかけて庶民を救済し、山から山へと一本歯の下駄をはいて巡れた。 里民、その徳をしたって行者を祀る。 今、一本歯の下駄を供えるのは行者が一本歯の下駄をはいて廻られた脚力に感じて、その霊力にあやかり腰痛、手・足の間接炎、神経痛の祈願をこめて、その願成就 の御礼に供えるものであります。
<太良町商工水産課>

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辛抱して石段を登って行くと、右手に大きなスギの木が天を刺すように幹を伸ばしている。
左手には、 赤い矢印の案内板 が足元に置かれ「多良岳:0.3km」と案内している。
すぐ先にも、白い案内板が枝に隠れるように小さな幹に掛けてある。
その案内板には「多良岳頂上迄300m」と書かれている。
石段は、右の方にゆるやかにカーブして傾斜をゆるめ、すぐ 平坦な道 に変わり石段はなくなる。

道は右手南側斜面に付けられ、右手樹間から得られる遠望に目をやりながら、ほぼ平らな道を快適に歩を進める。
少し行くと、道はゆるやかに登りはじめ正面に、 平べったい岩 に近づく。
その岩の右手を通り、大きな木の根を階段代わりに段差を登ると、又平坦な道になる。

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さらに、左手へカーブすると、岩が多くなり岩に足をかけ登っていく。
少し行くと、左手に薄い板状の小石を重ねたケルンを見て岩道を登っていく。
すぐ右手には、コケむした大きな岩があり、その岩を右手へ回り込むように登っていく。

ふり返ると、その岩の上にも 数個のケルン が作られているが、台風のせいかみんなくずれている。
右手には数本の大きなスギが、道に沿って幹を立てている。
正面には、平べったい岩が、斜面と同じ傾斜で傾きコケむしている。
その平べったい岩を巻くように、右手から登り岩の多い道を登っていく。
右手を見上げると、 大きなスギが腕自慢するように 枝を曲げ誇示している。

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その左手を抜け、1メートルほどの段差を登る。 そこには、右手スギの木が根を張り出しその根に助けられ登っていく。
すぐ先の左手には、大木の腐れた株が残っている。
この株はしばらく時が経つと、土に還元されまわりの植物の栄養源になる。
ここを10メートルほど進み、左手へカーブすると正面右手に巨木が大きく枝を広げている。
この巨木を見上げながら、ゆるやかに登っていくと、霊気を感じるような薄暗い場所に出る。
左手には、見上げるような大きな岩が現れ、足元には数体の石仏が安置され、さらに目を上げると中段辺りのくびれたところに、たくさんの石仏が並んでいる。 これが 「十六羅漢」 と呼ばれている。
羅漢とは、悟りを開いた高位の仏弟子に対する尊称で「十六羅漢」や「五百羅漢」として信仰されている。

ここにも数本のスギの巨木が天高く幹を伸ばし、霊験さを一層高めている。
昔日、山伏もここで一息つき敬虔な礼拝を行ったのかもしれない。
ここで息を整えたら山頂を目指す。
道は、直進するように付けられ、少し行くと左手にスギの 巨木が立枯れ 、哀れな姿を見せている。
少し行くと、右手にもスギの巨木が主幹を枯らしているが、主幹に負けない大きな枝を伸ばしている。

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すぐ左手へカーブし登ると、正面に大きな岩の手前で道は左右に分かれる。
道はどちらを行ってもいい。
右手は 木の根が網の目のようにのばし 、左手は岩に足をかけ登っていく。
左手を登ると、真上に大きな腐れた株が土になりかけている。
その右手から岩をよじ登ると、右手から登ってきた根っこの道と出会い、ここを左手に登っていく。
すぐ、滑りそうな岩場になる。
踏み跡は岩の右端に付けられ、その右手には木の根が並行して伸びている。
さらに急坂を登り左手へカーブしていく。

少しばかり、歩きやすい道を行くと、左手には、 木製のハシゴ がかけられている。
正面に日が差し込みその先に岩峰が現れ、中段辺りに梵字が刻まれている。
これが「大日如来梵字」である。ここを左手へハシゴを登っていく。
ハシゴを登りきると、右手に矢印の案内板がかけられ「多良岳:0.2km」と案内されている。
また、別の案内板には、緊急時用としてレスキューポイント番号207番が、割り当てられている。
すぐ岩場を用心して登っていく。

黒木—多良岳コース
レスキューポイント番号 207
この番号は緊急時用です。
緊急事故発生の時は、110番して、この番号と貴方の携帯番号をと事故状況をお知らせください。
<大村市多良山系 レスキューワーク協議会 代表番号 0957−54−0110>

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さらに岩場を右手に登ると、正面の岩に人名が刻まれているが読み取れない。
その岩の手前から左手へ曲がると、 岩場には鎖は張られている
その岩場を登り数メートル行くと、また岩場になりここにも鎖が張られている。
すぐ、右手へカーブすると、 右手には二重に鎖が張られている
岩は登山者に踏み慣らされ、滑りやすくなっている。

そこを左手にカーブし登って行くと、左手には二重の鎖が張られている。
左手へ覗き込むと、切れ落ちており用心して右手へ登っていく。
そこを少し登ると、左手のロープはなくなり、右手の鎖は1本になる。
さらにコケむした岩道を行くと、今度は板状の石段になる。

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石段を登り、左手へ岩道を登るとまた板状の石段になる。
石段の岩は、白いしま模様が入っており、割ってみるとやはり板状に割れてしまう。
ここを登りきると、天井が開け大きな岩壁の前に立つ。
さらに、左手の岩道を登るとやっと 山頂の稜線 にたどり着く。

そこは、T字形の三叉路になっており、 正面に標柱 が立てられ、左手は国見岳、右手は多良岳と案内されている。
山頂は正面右手へ下っていく。
右手に目を上げると石仏が安置されている。
そこも踏み跡が伸びており、数メートル登り岩場に立つと 素晴らしい展望 が林越しに得られる。

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展望を楽しんだら、国見岳へ行ってみる。
三叉路の標柱には、手書きで国見岳まで「1分」と書かれている。 数メートルも平らな道を行くと、露岩の多い急坂を、右手にたくさんの幹をもつ木を見て登っていく。
すぐやせ尾根になり、ここを少し行けば左手に岩の上から展望が得られる。
眼下には、大村湾を見渡すことができる。
国見岳は、数メートル先にある。ここにも山頂標が立てられ「国見岳:994.5m」と書かれている。
ここからの展望はさえぎるものがない。
正面には、数本の鉄塔を立てる五家原岳、遠く雲仙岳も見ることができる。
展望を楽しんだら三叉路へ戻る。

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三叉路からは、標柱を見てすぐ左手へ岩の多い急坂を下っていく。
そこを下ると、道は平らになる。
すぐ、根っこをむき出しにした木の右手の段差を降りる。
左手には、木が倒れ株の裏側を見せ路肩も一部欠落しており、1メートルあまりの段差ではあるが用心して下る。
左手には、 トラロープ も張られている。
ここを降りると、また平坦な道が続く。

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すぐ、木の根が張り出す段差を降りるとまた平坦な道になる。
少し行くと、道は右手に曲がり岩が多くなる。 そこを左手に石仏を見て石段を34〜35段登れば山頂に着く。
山頂は林に囲まれ展望は得られない。
ただわずかに北西の方に経ヶ岳を望むことができる。
山頂には立派な石殿があり「五十猛命」「大屋津比売命」「抓津比売命」の兄妹三柱の神が祀られている。
道はさらに東の方へ急坂を下り前山・一の宮岳へと続く。

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