潮風に元気をもらう・浮岳 [ 862.8m ]
山頂 → 白龍稲荷社(約10分)
山頂には、浮岳神社上宮の社がある。
右手には石灯篭も立てられている。
山頂標は御社の数メートル裏手に立てられ「805m」と案内されている。
さらに「縦走路(荒谷峠・女岳)遊歩道(駐車場コース)」と書かれた案内板も立てられ、 山頂標の奥には「白龍稲荷社」への道が伸びている。 御社の床下には、なぜか
木製の亀さん
が置かれている。
さらに左手御社の正面には石造りの鳥居があり、 石段を下り、
鳥居をくぐると
目前に玄海灘の絶景が視界いっぱいに広がる。
真っ青な海を見ていると飽きる事はない。
この展望は、つい最近まで目にすることはできなかったが、今は自然木が切り払われ幸か不幸か絶景を楽しむことができる。
白龍稲荷社へは、
鳥居をくぐらず
その手前から左手へ行ってもいい。
すぐ正面に
スギの倒木
をくぐり、ゆるやかに下っていく。
鳥居から3〜40メートルも行くと
三叉路
になる。
右手は上宮裏手に通じている。
ここを左手へ、ゆるやかに下っていく。
すぐ木段が付けられているが、土に埋もれはっきりしない。
三叉路から14〜5メートルも行くと、
左手に標柱
が立てられ「浮岳登山道」と案内されている。
ここをゆるやかに下っていく。
辺りには、伐採期を迎えたような大きなスギが幹を立てている。
落ち葉の多い道はゆるやかに登りだす。
落ち葉から足に伝わる感触が実に気持ちいい。
大きなスギに目をむけながら、少しばかり登ると
尾根筋
に登りつく。
気持ちいい道はゆるやかに下りだし、左手玄海の海から流れてくる風は、自然林に浄化され、甘く清らかな空気は全身を癒してくれる。
尾根筋を少し行くと、右手にわずかばかりの展望が開け、山々の美しい稜線をうかがうことができる。
すぐ左手には「浮岳登山道」と書かれた標柱が立てられ、 この標柱を見てまたゆるやかに下っていく。
ほぼ平坦な落ち葉の道は、自然林と溶け合うように伸びている。
浮岳への登りは、胸を突く急坂が続いたが、この道を歩いてその苦労が報われる。
尾根筋に付けられた、傾斜の少ない道を少し右手へ向きを変え下っていく。
さらに、自然林の中にコケむした岩を見て右手へカーブして行く。
左手、
丸く形のいい大きな岩
と右手の木の間を抜け、左手へ下っていくと、 すぐ正面に
庭園のようないい感じの場所
に着く。
そこには
木製のベンチ
が置かれている。
右手に目を向けると、展望も得られ
幾重にも重なる稜線
の美しさに目は離れない。
左手にも樹間に玄海の海を見渡すことができる。 ここで時間があれば、腰を落としさわやかな風を受けながら一息つくといい。
美しい景色は実に気持ちが落ち着く。
心が景色に溶け込んでいくような錯覚さえ覚える。
しかし、先を急げばこの感触は得られない。
山歩きの目的は、山頂に立つだけでは達せられない。
道沿いに展開するさまざまな自然の不思議に寄り添い、感嘆したり嘆いたり、あるいは元気をもらって一歩一歩を踏み出すところにある。
いい気分で、
コケに彩られた露岩
の間を抜け、ゆるやかに下っていく。
落ち葉が降り注ぐ道筋には深緑色にコケむした岩が多い。
落ち葉の道と、コケを生やした露岩が造りだす様は、実に美しく絵になる。
少し行くと、左手にまた「浮岳登山道」と書かれた
標柱
が立てられている。
この辺りも落ち葉が多く、道の両脇に点在する緑の露岩に優しく触れながらゆるやかに下っていく。
この道が、まだ遠くまで続けばいいとさえ思ってくる。
気持ちのいい道は、少し傾斜を増して右手へカーブし下っていく。
左手には、また「浮岳登山道」と書かれた標柱が立てられている。
ここは
三叉路
になっており、どちらを行ってもいい。
直進は急坂の下り、右手にコケむした岩を見てここを遠巻きに右手へ下っていく。
20メートルも下ると、道は左手へ鋭角にカーブする。
右手には、
大きな岩
が登山者に道を開けるため、一歩退き岩の一部を自ら切り落としている。
左手にも、大きな岩が登山者に遠慮してか、邪魔にならないような形を造り出している。
すぐ、歩きやすい斜面を左手へカーブし下っていく。
さらにゆるやかに下っていくと、急坂になる。
そこには
木段
が付けられている。
しかし、木段は腐った状態にある。
急坂を少し下ると、すぐ三差路に出会う。
左手には例の
「浮岳登山道」と書かれた標柱
が立てられ、文字板には「白龍稲荷」と書かれている。
道はまだ下り伸びている。
この道は「駐車場コース」と呼ばれ、登山口近くには広い駐車場が用意されている。
標柱を見て、左手に急坂を登っていく。
すぐ右手に赤い鳥居が見える。
その鳥居の方へ右折し、鳥居をくぐっていくと正面に
立派な御社
がある。
屋根の上には、御社が小さく見えるほど大きな岩が張り出している。
額束には「白龍稲荷社」と書かれ、入口引戸の上には「白龍窟」と案内されている。
お稲荷さんは、もとは食物の神様であったと言うが、今ではその生産力・繁殖力にあやかるように商売繁盛の神様になっている。
お稲荷さんは江戸時代、「伊勢屋・稲荷に犬の糞」といわれるように、町にあふれるように作られ現在30000社を超えるという。
鳥居の赤い色は、血液からくる生命力・火の色と関連して、生命・大地の生産力が食物の神様と信仰上一致し朱色になったとも聞く。
お稲荷さんからも、樹間に展望が開けるが、葉が茂る夏場は見ることができない。
元の道へ戻り、さらに急坂を登る。
急坂には木の根がむき出し、その根に助けられ登っていく。
少し登ると右手へ分岐した踏み跡が目に付く。
その角、右手の幹に
古い案内板
が掛けられ「大岩展望台あり」と書かれている。
案内板に従い、右手へ10メートルも行くと大きな岩がある。
その岩を用心して登ると、
平らな岩の上
に立つ。
ここからは、玄海の海が視界に消えるまで見渡すことができる。
その絶景に、一瞬感歎の声が出てしまう。
時間が許す限りこの絶景に身を寄せればいい。
この素晴らしさに、急登の疲れは忘れてしまう。
展望を楽しんだら、ここを引き返し右手へ急坂を登ると、遠回りをした
三叉路
に着く。
ここから往路を取り、山頂を経由して帰る。