山頂は、単なる通過点にすぎず、展望もなく山頂標がなければ見落としかねない。
幹には文字板が付けられ「前岳:982・7m」と書かれている。
岩の下には三等三角点の石柱が立てられている。
一息つき、岩に触れ尾根筋を行く。
少し行くと右手が開け、2〜3歩進んで岩上に立つと格好の展望台となり、正面眼下に諫早湾とそれを仕切る潮受堤防が一望できる。
潮受堤防は、平成11年完成し幅員10mの2車線道路が開通、高来町から島原半島へ結んでいるが、漁民と農民との思惑の違いから、常時開門かどうか今だにかみ合っていない。
展望を楽しんで、さらに直進するとシャクナゲを見る。
この辺りは、案内板はないが赤いテープが随所に付けられ大きな目印となる。
浮いた株を見て、さらにヤセ尾根を行くと、またシャクナゲを見る。
稜線上には相変わらず岩が並ぶように多い。
しかし、少し行くと岩はなくなり歩きやすくなる。
落ち葉の道を足早に下って行くと、またシャクナゲを見る。この辺りはシャクナゲが多い。
傾斜は徐々に大きくなる。
踏跡は薄いが行く手に不安はない。
途中左手幹に帽子が掛けられ、これは登山者の落としものか。
道は、草木の葉に狭く見えるがルンルンと下るのに支障はない。
赤いテープに目を配りながら、落ち葉の道を下って行く。
岩稜にてこずりながら一歩一歩を重ねてきたが、この下りは歩幅は伸び距離も稼げる。
足元には数か所小さな石積みを見る。
薄い踏み跡は、赤いテープとこのケルンが目印となる。
ケルンを見ながら、踏み跡をたどるように右手へ向きを変え下って行く。
この辺りも赤いテープが多い。
ルンルンと足早に下って行くと黒木岳との鞍部に着く。
黒木岳は直進すればいい。一ノ宮岳は途中右手へ折れればいい。