のんびりと尾根道を・天山 -七曲り峠- [ 1045m ]
119番標柱 → 天山山頂(約45分)
中盤に差し掛かって、後半の快適歩行前の試練のようなもので、帽子のつばから汗が滴り落ちる。
平らな道を少し行くと、右手に119番の標柱がササに隠れるように立てられ「天山:1.6km 古湯:9.3km」と案内されている。
さらに平坦な道を行く。
道の両脇には、あふれるようにササが密生し、正面峰の左斜面に向かって伸びる。
左手、眼下には、
有明海が遠く視界に消えるまで真っ青に広がり、空と溶けあっている
。
ササ道はゆるやかに登りだし、次第に傾斜を増してくる。
狭い道には岩も多く目立ってくる。
途中足を休ませ、後ろを振り返るとササ道の向こうに彦岳がさらに沈み、峠にはう道はうかがうことは出来ない。
さらに小石の多い道を登っていく。
道には、露岩も多くなる。
標柱から3分足らず過ぎると、辺りはなぜか
松の木
が多くなる。
さらに1メートルほどの
岩の段差
を登っていく。
この段差を登ると、傾斜はゆるんでくる。
小石が多い道は、すぐ傾斜を強めるが急坂ではない。
しかし、ゆるやかでもない。
左手に見る展望
に元気をもらいながら、さらに登っていく。
狭い道には、また露岩が多くなる。
露岩は、登山者に踏まれ滑りやすく、ここで滑って、岩に尻餅でもつけば大変なことになる。
さらに、岩の段差を登り急坂を登っていく。
道には岩があふれるように多くなる。
すぐ
岩の段差
を登っていく。
登山口から1時間ほど経過したろうか、この辺りの岩道が、最も疲れるところであり、遠慮なく足を休めるといい。
立ち止まって、1分も休めば足は軽くなる。
急坂の岩道
は容赦なく続く。
さらに立ち止まって、足を休めるついでに後ろを振り返ると、
足元の道は一筋の線を描きササの平原を抜け、さらに彦岳に向かって伸びている
。
岩道を少し登ると、傾斜をゆるめまた松の木が多くなる。
右手には、ササの群生が広がり、そこを少し登ると、展望が得られ天山発電所から送られる
鉄塔が行儀よく並んで見える
。
その向こうには、幾重にも重なる稜線がこの上なく美しい。
しかし、岩道は続きなかなか終わらない。
左右に広がる景色に元気をもらいながら、辛抱して岩の多い急坂を登ると傾斜はゆるんでくる。
林の中のササ道
に差し掛かると、露岩は見られなくなる。
しかし、倒木を踏み越えるとまた岩道になる。
そして、岩の段差を登り右手へカーブすると、さらに傾斜を増してくる。
岩道を少しばかり登ると、
左手に目印のような大きな岩
が目に付く。
道は、、幾分傾斜をゆるめ小石が多くなり、すぐ右手へカーブしていく。
傾斜はなかなかおさまらず、山頂への道のりは遠く長く感じてしまう。
途中、腰を降ろし水分でも補給するといい。
さらにあめ玉でも口に入れ、息を整えるといい。
急坂は、さらに右手へカーブし伸び、
大きな岩をよじ登っていく
。
すると、岩は目立つが傾斜はゆるみ歩きやすくなる。
ほぼ平坦な道を歩くと、足の疲れが引いていく。
すぐ、右手へカーブし登っていく。
道の両脇には、潅木が多くなる。
小石の多いササ道をゆるやかに登って行くと、また岩道になる。
さらに岩の段差を登るとまた傾斜をゆるめ歩きやすくなる。
周辺には、潅木の他に松の木も多くなる。
岩の多い道ではあるが、ゆるやかな登り
に気分もよくなる。
さらに傾斜をゆるめ、平坦な道に気持ちのせいか周りの雰囲気もいい。
しかし、
岩道は正面に松の木を見てまた登りだす
。
少し登ると、正面が開けて主稜にたどりつく。
右手北側から、さわやかな風が流れてくる。道にはまだ岩が多い。
すぐ右手にササの平原が広がってくる。
道は、さらにササの丘陵を蛇行しながらゆるやかに伸びる。
しかし登ってみると、そうゆるやかではない。
1歩1歩数えるように丘陵を登っていく
。
露岩の道を一登りすると、傾斜はゆるみ、
歩きやすくなる
。
少し登ると、視界をさえぎるものは消え、見通しがよくなってくる。
丘陵のピークに達するころ、右手に118番の標柱が立てられ「天山:1.1km 古湯:9.8km」と案内されている。
少し登ると、道はほぼ平になる。
急坂の岩道の疲れを忘れさせるような、気持ちのいい道に歩を進めて行く。
1分足らず登って行くと、ゆるやかに登りはじめる。
道には、小石を敷き込んだような 小石の道を少し登ると、
左手に案内板
が立てられ「火の用心 タバコの火元が 山火事に」と書かれている。
さらに平坦な道を10メートルも行くと、またゆるやかに登りだす。
途中、
道の両脇にある大きな岩の間
を抜けるように登っていく。
道はさらに傾斜をゆるめ、平に近い道を登っていく。
足元に、カワラナデシコに似た可愛いピンクの花に元気をもらい、ゆるやかに登っていく。
道は、
ササに覆われた稜線
を南北に切り開いたように伸び、次第に傾斜をゆるめ視界も広がってくる。
視界をさえぎるもの何ひとつなく、この道を、この光景を一人独占してゆるやかな傾斜を行く。
誰のため道の道か、正にここを行く人のため道に他ならない。
大舞台に立つスターも、このような感触に浸っているのかも知れない。
道は、次第に傾斜をゆるめてくる。
そして、その大舞台の頂点に達する。
四方に広がる展望に酔いしれながら、視界の果てから流れてくるさわやかな風を一身に受け歩を重ねて行く。
目に見えるすべての光景が自分中心に動いてくれる。
その光景を支配する権利でも得たかのような錯覚さえ覚えてしまう。
それが滑稽とは思われない。 天山は、素晴らしい舞台を平等に与えてくれる。
平等にその感触を与えてくれる。
しかし、すべてが平等ではない。ここに立つ人だけが味わえる平等である。
丘陵のピーク辺りで道は、右手北側へ分岐し伸びている。
少し時間を割いて、右手へ細いササ道を正面左手に見えるとがった岩の方へ、吸い込まれるように進むと、足元からすべてが見渡せ 素晴らしい展望所になっている。
浮岳から雷山・井原山に及ぶ稜線
がくっきりと浮かび上がって見える。
手前には、目盛りをつけたように鉄塔が等間隔で立ち並び、しばらく展望を楽しめばいい。
ササ原には、数本の細い道が縦横に伸び、どの道か適当にとって元の広い本道に戻り、右折して山頂を目指す。
道には小石が多くなる。
1分もゆるやかに登っていくと右手に117番の標柱が立てられている。
標柱には「天山:0.6km 古湯:10.3km」と案内されている。
さらに、小石の多い道をゆるやかに登っていく。
小石は、歩くのに支障をきたすようなものではない。
山頂までの距離は、既に600mを切り、急ぐ必要はない。
四方に広がる展望に身を寄せ山頂までの1歩1歩を楽しみたい。
小石の道を登りきると、道は
右手へ方向を変えながらゆるやかに下り始める
。
道は、前方右手に横たわる丘陵に向かって伸びている。
丘陵の左手には、
目指す天山山頂
が姿を現し、登山者を導くように山頂への道をはっきりと映し出している。
山頂にある石碑も小さく見える。
しかし、山頂への道はここから見る限り厳しい傾斜を見せつけている。
道は、左手へカーブし丘陵の左手斜面をゆるやかに伸び、 ゆるやかな傾斜はさらにゆるみ、山頂を目前に足取りも軽くなる。
117番標柱から5〜6分も歩くと、山頂の石碑や山頂標まではっきりと見えてくる。
左手には「天山の植物」と題した説明板が立てられ、もう山頂は、目前に迫っている。
少し行くと左手に案内板が立てられ「立ったあと ゴミを残さぬ よいハイカー」と標語のような言葉が書かれている。
天山の植物
天山は、かなり上部までスギ・ヒノキの植林地となっているが、標高1000mを越す高山であるため、山頂付近にはホソバシスミレ・オギナグサ・ヤマトキソウなどの高山植物が多く、 谷間にマタタビ、山麓・中腹にはギボウシなどのみられる自然林も発達している。
山頂への道は急坂に見えたが、目の錯覚か一歩踏み出すごとに傾斜はゆるんでくる。
すぐ右手に116番の標柱が立てられ「天山:0.1km 古湯:10.8km」と案内されている。
山頂まで100m、最後のゆるやかな登りを楽しみながら登っていく。
山頂は目前
にある。
山頂周辺には、ミヤマキリシマ・オキナグサ・マツムシソウ・ススキ等の説明板が各所に立てられている。
右手には「天山の地形地質」と書かれた説明板もある。
オキナグサ
本州、四国、九州にみられる多年生草木で、葉は切れこみのある羽状複葉。全草に長い絹状の白毛が密生している。 春、紫色の花を1個つける。オキナグサは翁草の意味で果時に長花柱が集まっている状態がちょうど老人の白髪に似ているためである。
ミヤマキリシマ
九州の高山にみられる常緑低木で、雲仙、阿蘇、九重・霧島などが有名。標高の高い山頂部では10cmぐらいであるが、標高が低くなるにつれ、1mぐらいにもなる。 葉は小さく長楕円形で8〜30km。花は5〜6月に紅紫色の花を咲かせる。
マツムシソウ
高い山の草原でみられる多年生草木である。高さは60〜90cm。 葉は対生で、羽状に細く切れこんでいる。羽片は根葉では幅広く上葉は皮針形、下面は緑白色、花はナツから秋に掛けて紫色の頭状花をつける。
ススキ
オバナまたはカヤとも言われるイネ科の多年生草木で日本全土にみられる。 高さは1〜2mで、葉は細くて、緑がざらざらしているためよく手を切る。 花は房のような穂をつくって秋に開く。秋の七草の一つで、茎は屋根をふくのに道いられる。